おちをつけなんせ


 2022.7.8      オチのない作品【おちをつけなんせ】

                     

評価:2

■ヒトコト感想
かなり特殊な作品だ。のんが監督をしたということで話題となっていたが、内容は…。田舎で暮らす高2の少女が進路のことで悩み、妖怪を見たりもする。親友は東京の大学へ進学する中で、ひとりおいてけぼりに感じる峰留見。おばあちゃんとの関係も微妙であったり、かなり個性的で難しい感じの少女だ。

ストーリーとしてはあってないような感じだ。自分の書いた絵を、親友が勝手にコンテストに応募したことに怒ったりもする。そのほか、くだらない理由で喧嘩をしたりもする。そのくせ、あっさりと仲直りしたりもする。ちょっと性格の悪い高2の少女が、天真爛漫に生活し、進路に悩む。ごく当たり前の日常なのかもしれないが、それだけの作品だ。

■ストーリー
岩手県遠野市に暮らす早池峰留見は、妖怪を空想したり絵を描いたりするのが好きな高校2年生。最近では60歳になった大好きなおばあちゃんが家を出て行ってしまい、学校では進路調査票の提出が迫っているが、なかなか進路を定めることができない。親友の希枝は東京の大学への進学を決めていて、周囲から取り残されたように感じる留見は、ますます妖怪の世界に逃避し……。

■感想
遠野市というと、何かと妖怪と縁があるのだろうか。田舎で暮らす高2の女子が、進路に悩み妖怪を空想する。山の中で暮らす祖母に会いにいったりと、田舎ならではの変化がある。このおばあちゃんが強烈だ。孫の性格が悪いと目の前で言ったりもする。

主人公の峰留見がかなり特殊だ。かわいらしい顔からは想像できないほど口調が荒っぽい。両親からも性格が悪いと言われるほど。それでいて、進路に悩んでいる。空想の中では妖怪と会話をし、どのような進路へ進むのかを相談したりもする。

突然、古臭い踊りが始まったりもする。物語として大きな山や谷があるわけではない。ストーリーとしての魅力がないというか、何が起きているのかわからない。ただ、田舎の空想癖のある少女の日常をひたすら見せられているような感じだ。

親友とのやりとりはそれなりに面白い。お互いズバズバ相手の悪いところを言う。かなり辛辣な表現で、数日喧嘩をするのだが…。その後、あっさりと仲直りしている。このドライな感じは良い。ウジウジした感じがないさわやかさだ。

全体として意味不明な雰囲気がある。タイトルの「おちをつけなんせ」というのも、オチをつける必要があるということなのか。皮肉にも本作にはオチがない。いつの間にか終わったという感じだ。オチがない物語はこんな感じになってしまう。

空想癖のある少女のちょっとした日常が描かれているだけ。監督は若手有名女優なだけに、かなりチャレンジングな作品ということなのか。本作が世間でどの程度評価されているのか不明だ。

かなり見る人を選ぶ作品であることは間違いない。



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