俺たちは天使じゃない


 2022.8.11     デニーロの顔芸が最高だ【俺たちは天使じゃない】

                     
俺たちは天使じゃない [ ショーン・ペン ]
評価:3

■ヒトコト感想
脱獄囚が神父に間違われることで逃亡に成功する物語。デニーロとショーン・ペンが良い味をだしている。特にデニーロはあえてなのだろうが、面白表情をしている。逃亡するために神父のふりをしたことから、有名な神父に間違われる。特別、神父としての能力を求められる場面はない。適当な言葉を勝手に相手が良い方に解釈して見事な言葉となる。

ショーンペンのキャラは自分が神父に適正があると思い込んでしまう。デニーロは国境を越えてカナダに逃げることだけを考える。この違いはあるのだが、終始逃亡するために動いているのが良い。偶然の要素があるのだが、ラストで逃亡犯とバレると思われた時、「抜けたのだろう?」と問いかけられる。絶対絶命かと思いきや、この展開が良い。

■ストーリー
ロバート・デ・ニーロ製作総指揮・主演、ニール・ジョーダン監督、ショーン・ペン、デミ・ムーア共演の超豪華キャストとスタッフで贈る。デ・ニーロとペンが扮する二人組みの脱獄囚が逃亡中、ひょんなことから著名な神父に間違われることから巻き起こる痛快ドタバタ劇。

■感想
囚人がちょっとしたチャンスで脱獄することに成功する。アメリカとカナダの境目で、どうにかしてカナダへ渡ろうとする囚人二人。偶然有名な神父に間違われ、そのまま神父のふりをする。シングルマザーに近づいて女と寝ようとしたり、神父として入り込みうまく寝床と食事を手に入れたり。

ふたりは常にビクビクしながら神父として生活する。かなり強引に神父として過ごしている。刑務所の靴を履いていたので、靴を捨て裸足で歩いていると、なぜ?と問われ、大地を感じるためというもっともらしい言い訳をしているのが良い。

脱獄囚でありながら、街では神父として生活する。懺悔室で懺悔にやってきた者に対して、辛辣な言葉を投げかけたりもする。ただ、それが逆に新しい神父の形のように見えてくる。貧困シングルマザーに近づこうとするのだが、金を要求されたりもする。

明らかに普通の神父よりは俗物というか、欲にまみれているのだが、にもかかわらず周りの同僚の神父たちが、特に違和感なく受け入れているのが良い。有名な著作の作者ということで、いちいち発する言葉に対して他の神父が影響を受けているのが面白い。

ラストではカナダに渡るために、神父の行列に交じり移動しようとする。そこに刑務所の署長たちがやってきて脱獄囚を探し出そうとする。囚人がそのまま神父の恰好をしているだけで、ありがたいお言葉を皆の前で披露したりもする。その姿を見て署長がまったく気づかないのが意外だ。

さらには、ショーン・ペンがどうにでもなれ、というつもりで心の思いを話しした際には、それが周りにありがたい言葉として喝采を浴びる。神父の言葉にしては荒っぽいのだが、真に迫る何かがあるのだろう。

デニーロのリアクションが大げさなのが笑えてくる。



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