オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体ー【Blu-ray】 [ コリン・ファース ]
評価:3
■ヒトコト感想
実話をもとにした作品。第二次世界大戦中のイギリスはドイツに偽の攻撃先を信じ込ませるためのある作戦を決行する。簡単に言うと、イギリス兵士の水死体がもっていた手紙には機密情報が書かれていた。これをドイツが手に入れ、間違った情報をもとに攻撃目標を変えることを目的としたのだが…。
この作戦を成功させるための取り組みが非常に手が込んでいる。まずは死体を手に入れることから始まり、それらしく見せるために恋人の写真や手紙までも持たせる。その恋人は実在の人物であり、ラブレターもそれらしいように何度も推敲する。限りなく現実に近い状況にしてもなお、ドイツにうまく手紙が渡るまでには様々な障害がある。手に汗握る展開であることは間違いない。
■ストーリー
1943年、打倒ナチスに燃えるイギリス軍はドイツ軍の防備に固められたイタリア・シチリア島を攻略する計画を立てていた。そこで英国諜報部のモンタギュー少佐、チャムリー大尉、イアン・フレミング少佐らが練り上げたのが、欺瞞作戦“オペレーション・ミンスミート”だ。“イギリス軍のギリシャ上陸計画”を示す偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙そうとする奇策だ。彼らは密かに入手した死体を名付け、100%嘘のプロフィールをでっち上げていく。こうしてヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込む、一大騙し合い作戦が始まるが―。
■感想
イギリスの諜報部が立案した策略は…。死体に偽の手紙をもたせ、それをドイツに信じ込ませることだ。荒唐無稽な作戦であり、都合よく死体がドイツの手に渡るのかや、手紙が読める状態で残っているのかなど不確定要素は多い。
まずはちょうどよい死体を見つけることから始まる。溺死と思わせるためには、当然ながら銃で撃たれたあとがあってはならない。検死された際に、溺死と疑われないようにするためにはそもそもの死因も重要となる。これらを満たす死体を見つけたはよいのだが…。
次は生前の写真を撮るために死体と似ている男を探さなければならない。疑似の恋人を用意し、いかにもラブラブなカップルと思わせるために写真や手紙などを兵士が肌身離さず持っている必要がある。すべてが極秘でスタートし、無事に死体を海に流すことに成功したのだが…。
死体を引き上げたのが、スペインとなる。ここで、各国のスパイが行きかう中で、どのようにしてドイツに信用させるのか。ドイツが盗聴していることを知りながら死体を早く取り戻せと話をしたりもする。
最初はスペインが極秘に上を通さずに死体をイギリスに返そうとしたりもする。これをやられるとドイツが手紙を手に入れる隙がないので、あえてイギリス大使はスペインに対して正式に上を通して手続きをとってくれと言ったりもする。
機密情報の入ったカバンをこっそりもち帰るチャンスがあるのだが、あえてそうしない。ドイツは機密を手に入れることに必死となるのだが…。まんまと相手が手紙を信じたとしても、ドイツ軍の進軍目標が変わらない限り成功とはいえない。
実話をもとにしたヒリつくスパイ物語だ。