2023.9.7 生意気なマセガキの印象しかない【大阪少女】
大阪少女
評価:2.5
■ヒトコト感想
わけありな住人たちが住むボロボロのアパート。貧困層というかヤクザや風俗嬢、おそらくは生活保護の受給者などが住むアパート。そこの大家であるおばあちゃんの代わりに12歳の少女ちほが家賃の取り立てを行う。このちほが強烈だ。大阪弁全開でアパートの店子たちにきつくあたる。そうしないと家賃が徴収できないというのがあるのだろう。
全体として古臭い演出と、見たことのない俳優たちで構成されている本作。家賃取り立てから、ヤクザたちと絡むことになり、そこからおばあちゃんのアパートなどの資産がヤクザに奪われようとしている。なんだか全体として素人が多数出演した低予算の作品のように思えた。ラストではちょっとしたごたごたがあり、最後はヤクザに助けられるという感じだ。
■ストーリー
大阪、ボロアパート、わけありな住人たち。それでも楽しくやっています?ちほ(12才)は、おばあちゃん(78才)と2人で暮らしていた。おばあちゃんは大家さんでアパートや文化住宅の家賃収入で生計を立てていた。ある日ちほは、足が悪くなったおばあちゃんに家賃の取り立てを頼まれる。簡単にOKしたちほは後悔する事に。アパートの住人どもは、ヤクザ、ホスト、ドロボウ、アル中など、人間のクズばかりで家賃をなかなか払ってくれないからだ。逃げるのが嫌いなちほは、戦う決意をして家賃の取り立てを開始する。
■感想
大阪のボロアパートで家賃の取り立てをするちほ。小学生が大人に対して罵詈雑言をあびせ、頭を思いっきりはたく。大阪のツッコミ文化なのかもしれないが、そこに違和感を覚えた。家賃を取り立てられる大人側もちほに対して常に敬語で下手にでている。
ちほがどれくらい偉いのか。ちほの態度は常に偉そうだ。ボロアパートに住む住人は確かにダメ人間たちなので、最初から強く言う必要があるのかもしれない。それでも小学生にため口で命令される大人というのは違和感が満点だ。
本作のメインはボロアパートに住むダメ人間たちのダメ模様だろう。妄想が爆発している小説家。客に家賃を肩代わりさせるダメホスト。金があるだけ使ってしまうヤクザの下っ端。両親が常に喧嘩している状態で子供は我関せずで本を読んでいる家庭が崩壊した者たち。
何をするにもめんどくさく、常に眠ってばかりのおばさん。当たり前ではない強烈な住人たちが住むアパートだ。ちほがひたすら強気で家賃を徴収する。ちほの胆力に圧倒されるのだが、それでも小学生のやることではないので、違和感が強い。
ちほとおばあちゃんはヤクザに囚われ、監禁されてしまう。契約書にハンコを押しておばあちゃんの資産をすべて奪おうとするヤクザ。おばあちゃんの足の爪をはいで拷問するという暴挙にでるヤクザ。おばあちゃんの痛そうな演技がやけにわざとらしいのは…。
おばあちゃんの昔の知り合いのヤクザが助けにやってくるのだが…。そこでのヤクザ同士の戦いもよくわからないスローモーションの演出が展開される。トータルとして映画的な面白さは少ない。
アパートの住人たちの個性を楽しむ作品だ。
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