2024.12.23 漫画風な展開が続く陰陽師【陰陽師0】
陰陽師0 [ 山崎賢人 ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
陰陽師はいつくか映画を見たことがある。夢枕獏の陰陽師を原作として映画化された本作。主演は相変わらずの山崎建人であり、定番的な作品となっている。呪術の天才である安倍晴明と、同じく学生である出世したい仲間たちがいる。陰陽師の学校での出世争いがあり、晴明は貴族の源博雅と知り合いとなる。晴明のどこか他人を寄せ付けない雰囲気はすさまじい。
怪奇現象を次々と解決していく下りは、現代的にいうところの気難しい探偵のような感じだ。ある学生の死をきっかけとして晴明は周りから目をつけられることになる。出世したい者たちが、晴明を追い落とそうと策略を巡らせる。謎の術で晴明を追い込む下りは確かに強烈なインパクトがある。
■ストーリー
呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁―《陰陽寮》。学生の安倍晴明は、呪術の天才ながらも陰陽師に興味を示さず、友人も持たず、周囲から距離を置かれる存在だった。ある日晴明は、貴族の源博雅から皇族の徽子女王(よしこじょおう)を襲う怪奇現象の解決を頼まれる。衝突しながらも真相を追う晴明と博雅だったが、ある学生の変死をきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀と呪いが動き出す。
■感想
安倍晴明が主人公であり、ある程度想定できる流れの物語だ。声明はまだ学生として呪術を学んでいるが、明らかに周りの生徒たちとは異質な雰囲気を醸し出している。ひとりだけ特別感がある。呪術の能力が明らかに周りと異なっている。
底の知れない能力の高さがある。何か怪異が起きたとしても、それをすべて看破している。逆に周りの者たちを呪術というか巧みな話術と周りを利用して暗示のようなものをかけている。雰囲気的には能力はあるが気難しい探偵のような感じだ。
晴明は貴族の知り合いとして源博雅がいる。源博雅経由で皇族の女王と知り合いとなり、女王が経験した怪異を見事に解決している。平行して学生のひとりが死亡し、その事件を声明が調査することになるのだが…。
このあたりはまさに平安時代の探偵といってもよいのかもしれない。なぜか晴明が犯人だと疑いをかけられてしまう。それは晴明の能力を恐れた者たちの策略だった。誰が黒幕なのかはうっすらとはわかってくるのだが、合間で晴明たちを苦しめる幻術を駆使する者の存在は強烈だ。
ラストでは、晴明は本物の陰陽師として強烈な能力を示す。黒幕は出世するため邪魔者であり、帝に評価されている晴明を排除しようとする。結局は晴明はラストで帝の専属の陰陽師となる。これに続編があるのかは微妙だ。
陰陽師としての特別感はなく、他の陰陽師の映画作品と比べても、漫画的な展開が強い。ひとえに主人公の魅力があまりに乏しいからだろう。狂言回し役である源博雅もなんだかよくわからない。もう少しドタバタ感があってもよいような気がした。
続編はおそらく作られないだろう。