2022.11.21 呪われた町セイラムズロット 【呪われた町 上】
呪われた町 上 (文春文庫) [ スティーヴン・キング ]
評価:3
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■ヒトコト感想
セイラムズ・ロット。この町で何かが起こる。小説家のベンが久しぶりに帰ってきた町。幼い少年が姿を消し死体となって戻ってきた事件が発生し、その後次々と事件が巻き起こる。何かが起きているというのはわかる。様々な登場人物の視点で町の状況が描かれている。特にベン視点では恋人の家族と食事をし、父親には気に入られているが母親には気に入られていない。
それら些細な日常の出来事に、町にせまりくる不穏な空気が漂ってくる。よそ者のベンが何かと話題の種となってしまう。上巻ではベンが町にやってきたことにより、悪いことが立て続けに起きたと考えるようになる。まだ上巻の段階では何が起きているのかわからない。下巻では悪の元凶が登場してくるのだろうか。
■ストーリー
荒れ果てた屋敷が丘の頂から見下ろす町、セイラムズ・ロット。そこに幼い頃に住んでいた小説家ベンが帰ってきた。町は平穏に見えたが、ある夜、ベンは丘の上の屋敷に灯が点っているのを見る。あの屋敷を買った者がいるのだ。そしてある日、幼い少年が忽然と姿を消した…巨匠キングが恐怖の帝王の名を不動のものとした名作。
■感想
ごく普通の田舎町であるセイラムズ・ロット。ここでどのようなことが巻き起こるのか。小説家のベンが町に帰ってきた。平穏なはずの町で少しづつ異変が起き始める。12歳の少年が行方不明となり、その後死体となり帰ってくる。
それまでは平穏な日常を過ごしていた町で、大きな事件となる。序盤からひたすら町に住む人々のそれぞれが描かれる。何気ない日常を構成するために必要な人々。警官であったり喧嘩する少年であったり。そこでベンの存在がよそ者としてクローズアップされることになる。
小説家のベンは恋人の家にやってくる。そこで父親とは一緒にビールを飲み歓迎されるのだが…。母親からはあまり歓迎されていない。その理由としては娘の元恋人のことが気に入っていたからだった。娘の将来を考え、母親が口だすのはよくあることなのだが…。
父親にしても無条件でベンを受け入れているわけではない。娘を奪われるという気持ちがなくはない。それらの微妙な心境が細かく描かれており、呪われた町の雰囲気を一瞬だけでも忘れさせてくれる流れであることは間違いない。
呪いの町が動き出す。ベンの周辺であわただしい動きがある。よそ者であるベンのことを良く思わない者もいる。ベンが来たせいで町に不幸が訪れたと考える者もいる。ベンは何かしら知っているような雰囲気を醸し出している。ベンの恋人の元カレから殴られたりと、後半のベンはかなり強烈な状況となっている。
呪われた町というタイトルがついているので、これからさらに呪いの状況が激しくなるのだろう。呪われた町での厄災をどのように乗り切るのか。下巻の流れが楽しみだ。
ベンが主人公なのだろうか。
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