ノック 終末の訪問者 [ デイヴ・バウティスタ ]
評価:2
■ヒトコト感想
山奥の山小屋に突然謎の4人組がやってきた。ガタイの良い男と黒人の女、若い女に、中年の男。それぞれがつるはしなどの武器を持ってやってくる。何事かと思いきや…。4人が語るのは荒唐無稽な話だ。家族3人のうちに一人が犠牲になればこの世界が救われる。そうしなければこの世界が滅びる。
到底信じられることではないが、中年男が他の者たちからつるはしで頭を砕かれ死ぬ。すると、世界では大地震が起こり津波が発生する。まったく論理的ではない、超常現象すぎる。悲惨な映像はテレビから流れている。このまま、放置されればいずれ世界が滅びる、と言いたいのだろうが…。オチとしては何かの裏があることを期待したのだが…。驚くほどストレートな作品だ。
■ストーリー
人里離れた山小屋で休暇をすごしている3人の家族の前に突如現れた、謎の4人組。彼らは家族を拘束し、こう告げた。「家族の3人のうち、犠牲になる1人を選べ」「しくじれば…世界は滅びる」果たして、4人の訪問者は何者なのか?なぜ、世界は滅びるのか?その究極の“選択”の結末とは?!
■感想
ゲイのカップルと一人娘。この3人家族の前に突然現れた謎の4人組。3人家族の中で一人の犠牲者を決めなければ世界は滅びる。到底信じることができないのだが…。ゲイのカップルは拘束され選択を迫られる。実際に中年男が殺されると世界で津波が発生する。
テレビ越しに見る津波の映像は確かにすさまじい。これが中年男が死んだことによる影響なのか。4人はそれぞれがまったく同じ映像を見ている。それは世界が滅びる映像なのだろう。この決断と行動に至るまでに相当な葛藤があったのだろうが、それが描かれることはない。
観衆はゲイのカップルと同じ状況となる。にわかに信じることができない。ただ、次に犠牲となる若い女が殺されると世界中の航空機が次々と空から墜落していく。強烈な映像だ。ビルの屋上からカメラを構えていると次々と上空の飛行機が墜落しあちこちで炎上している。
これが世界の終りの序盤ということなのだろう。その後は、世界に疫病が流行り次々と小さな子供が死んでいく。映像的にはコロナパニックの状況に近いのかもしれない。3人はこの状況を信じられずにいるのだが…。
流れ的に何か別のオチがあることを期待した。4人組は別の目的でやってきた。作中ではそのあたりをにおわせつつも、本当に世界の滅亡を防ぐためにやってきたという流れになっている。ラストではゲイのカップルの一人が自殺することで世界の滅亡が防がれる。
正直、この流れはかなりがっかりだ。何か壮大などんでん返しを期待していただけにストレートな終わりというのはあまりにも芸がない。世界が滅亡に近づく映像をテレビ越しに見せられるという流れがすべてだ。
期待外れな流れだ。