ノイズ


 2024.4.4    死体を隠ぺいするため、島の人々を巻き込んでいく【ノイズ】


                     
ノイズ 通常版 [ 藤原竜也 ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
孤島にやってきた謎の男。突然殺人を犯し、怪しげな雰囲気を醸し出す。イチジク農家の圭太と親友の純はひょんなことから、その男を殺害してしまう。ここまではほんの序章にすぎないが、様々な要因が含まれている。人口の少ない孤島によそ者が来るとそれだけで目立つ。圭太の娘の姿が見えなかったことから、エスカレートしてしまったのだろう。

島の評判とこれからのイチジク農家を守るために、死体を隠ぺいしようとするのだが。。。県警の刑事たちが執拗に圭太に付きまとう。一つの嘘がまた別の嘘を発生させ、次の殺人へとつながってしまう。島の他の人々も巻き込んだ隠ぺい工作。どうにもならない嘘の現実に耐え切れなくなるものが出るのも当然だろう。

■ストーリー
絶海の孤島に突然現れた不気味な男。誰も名を知らないその男に家族を狙われた泉圭太(藤原竜也)は、親友の田辺純(松山ケンイチ)、新米警察官の守屋真一郎(神木隆之介)と共に、誤ってその男を殺してしまう。それは、圭太が生産した“黒イチジク”が人気となり、国からの交付金5億円が内定、過疎に苦しむ島に明るい未来が見えた矢先のことだった――。島の未来と大切な家族を守るため、3人は死体を隠蔽することを決意する。

「この男が消えたところで、だれも追ってこない」そう思っていた矢先、予想外の事態に発展する。なんと、その男は出所したばかりの凶悪犯(渡辺大和)で、足取りを追う刑事(永瀬正敏)らが島に大挙して押し寄せてきたのだ!24時間体制で執拗な捜査を繰り返す県警。その包囲網が圭太たちを追い詰める…<島の生活を守る為に死体を隠す者>と<正義の為に島の生活を踏みにじる者>との攻防が島民たちにも広がっていき、島の日常は崩れ落ち、少しずつ狂っていく…差出人不明の不気味なメール、次々と増えていく死体、壊れていく絆…誰が味方で敵なのかもわからない極限状態の中で、“ある人物”がとんでもない罠を仕掛けていた…

■感想
圭太たちが殺した男は、元受刑者で殺人を犯していた。だからと言って殺してよいわけではないが…。最初から正当防衛で殺してしまったと報告していれば、何の問題もなかったのだが…。男を追いかけ続ける刑事が島にやってきた。

刑事は圭太たちを怪しいと捜査し始める。そのタイミングで男が殺した死体が発見される。最悪な状況だ。これで島の内部には殺人犯がいるということで警察官が大量に押し寄せ島中を探しまわる。すでに死んでいる人間を探すために…。

ヒリヒリとする展開だ。島で唯一の駐在である守屋は常に刑事からのプレッシャーにさらされる。ひょんなことから、秘密を知った町長を殺してしまったことで、後戻りできなくなる。圭太、純、守屋だけでなく、そのほかの島の住人も巻き込んでしまう。

こうなると、もはや島の住人対刑事という図式が出来上がっている。何度も刑事に死体を見つけられそうになるが、それでもギリギリのところで秘密は隠し通している。人の好い、純粋な守屋が一番かわいそうかもしれない。

最後まで隠しとおせることはないと思っていたのだが…。刑事の高圧的な態度や、圭太たちが島のために必死になる姿を見ると、このまま隠し通す未来を希望してしまう。刑事は圭太と純が怪しいと感じているが、肝心の死体がでないことには何もできない。

ラストではなぜか死んだはずの町長の携帯から一斉メールが送信され、圭太のイチジク畑の下に死体が埋まっていると暴露されてしまう。誰がその暴露メールを送ったのか。最初から少し違和感のあった、圭太と純と圭太の嫁の関係が重要な意味をもっていたい。

ハラハラドキドキする作品だ。



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