ナイト・ウォッチャー


 2023.9.21    アスペルガーの青年は見続ける【ナイト・ウォッチャー】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
アスペルガーの青年バートは、ホテルの受付業務をしながらホテルに宿泊する客の部屋にカメラを仕掛け、盗撮している。理由としては、自分のソーシャルスキルを高めるためだ。アスペルガーなのでやることが極端だ。美しい女性客のアンドレアに少し良いことを言われると、その気になってしまい、すぐに車を買おうとしたり身なりを極端に気を付けるようになる。

バートのアスペルガーっぷりがすさまじい。それを知りながら、周りはバートを利用しようとする。ホテルで殺人事件が発生してからは、少しミステリーの要素がある。バートが客室を盗撮するという、本来なら嫌悪感を抱くような行動が、アスペルガーのためか純粋な気持ちで見ているような気がしてしまうのが不思議だ。

■ストーリー
アスペルガー障害を抱える聡明な青年、バートはホテルで夜間受付の仕事をしながら、自身のソーシャルスキルを向上させるため、秘密裏に客室にカメラを仕掛け、客の行動を記録している。ある夜、バートが勤務中に殺人事件が起こる。女性客が殺害されたその事件でバートは第一容疑者になってしまうが、客室に仕掛けていたカメラの映像が彼の無実を証明していることをバートは明かせない。警察の捜査が進む一方で、バートは美しい女性客アンドレアと知り合う。交流を深めていく中、バートはアンドレアが殺害ターゲットにされていると気づき、彼女が次の犠牲者になる前に、犯人による犯行を何とか阻止しようとするが・・・

■感想
アスペルガーではあるが、周りはそのことを理解しているのでバートは何の問題もなくホテルで働くことができている。オーナーからの信頼も厚い。ホテルに宿泊する女性の部屋をひそかに盗撮するバート。ここだけ見ると、ただの悪質な盗撮魔でしかない。

バートが盗撮する理由は覗き見ではなく、自分のソーシャルスキルを高めるためだった。なので、ホテルの部屋だけでなく自分のネクタイにもカメラをつけて受付業務の復習をしたりもする。このあたりがまさにアスペルガー風味を強調している。

バートが盗撮する部屋で殺人事件が起こる。一部始終を見ていたバートはホテルに駆け付け第一発見者となる。そこからバートは事件の容疑者とされてしまうのだが…。バートがアスペルガーということで、事件は進展しない。

普通なら証拠の動画を警察に見せれば一発なのだが、バートはなぜかそれをしない。バートの行動原理がよくわからなくなる。別のホテルに移動してから、アンドレアと知り合いとなる。ここでアンドレアがバートに近づいていくのだが…。アンドレアが何のために近づいたのか、ラストで判明するのが衝撃的だ。

バートはアンドレアに熱を上げる。バートはアンドレアの気を惹くために車を買おうとしたり、いきなりスーツを買ったり、散髪したりと極端な行動に出る。アンドレアの密なたくらみを知らずに…。ラストではバートはアンドレがなぜ自分に近づいたかを知る。

そしてすべてを警察へ暴露する。最初からそうしていれば何も起こらなかったのだが…。バートがひとり傷ついただけかもしれない。印象的なのは母親がバートのこととなるとヒステリックになり刑事につっかかる場面だ。

バートはぱっと見普通なのが様々な誤解を生むのだろう。



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