眠りの地


 2024.1.4     契約問題が人種差別問題にすり替わる【眠りの地】


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評価:3

■ヒトコト感想
実際の出来事を描いた作品。葬儀社のオーナーが超巨大企業の横暴に対抗するために裁判を起こす。誰もが負けると思われた裁判での大逆転劇を描いているのだが…。本質は結局人種問題となっている。葬儀社のオーナーであるオキーフが弁護士として選んだのはゲイリーだ。陪審員に黒人が並ぶ裁判で、有利に進めるために黒人の有名弁護士であるゲイリーを使う。

裁判の焦点は、本来は契約問題のはずが、いつの間にか人種問題になっている。オキーフ側の白人弁護士の祖父が過去にKKKに参加してたいと知れたら、それだけで裁判に不利になってしまう。裁判の本質を無視した黒人のご機嫌取りのように思えてしまった。最後の展開にしてもなぜか感動的に描かれているのが疑問でしょうがなかった。

■ストーリー
実話に基づくストーリー。葬儀社のオーナーであるジェレマイア・オキーフ(トミー・リー・ジョーンズ/アカデミー賞受賞者)は超巨大企業のローウェン・グループに狙われ家業存続の危機に立たされるが、訴訟を起こすことを決意。そこで、敏腕弁護士ウィリー・ゲイリー(ジェイミー・フォックス/アカデミー賞受賞者)を雇い、共に一世一代の裁判に挑む。対照的な性格の2人だが、やがて年齢や人種を超えた友情が芽生える。

■感想
オキーフは様々な問題から葬儀社を運営するのが厳しくなる。結局は金の問題であり、超巨大企業のローウェングループに葬儀社を売ることになるのだが…。ローウェンと契約が成立したかと思いきや、ローウェンは話を進めようとせず、オキーフの葬儀社がつぶれるのを待っていた。

このことにオキーフは怒り、裁判で訴えることを決意するのだが…。当初はプライドの問題という流れになっている。オキーフは自分がこけにされたことに怒りを覚え、ローウェンをぎゃふんといわせたいという思いが強いのだろう。

ゲイリーを弁護士に迎えるオキーフ。ゲイリーは傷害裁判で有名であるが、オキーフのために力を貸すことになる。黒人が陪審員となるので、ゲイリーの策略は徹底していた。対して、ローウェン側も有能な女性の黒人弁護士を用意するのだが…。

契約事項に対しての争いのはずが、陪審員に響かせるために人種問題をメインにお互いが主張し始める。特に弁護士や身内が黒人に対してひどい扱いをしていたと知れると、それだけで大きなマイナスとなる。オキーフが黒人寄りの人物ということでゲイリーの戦略なのだろう。

ラストではローウェン側は黒人に寄り添っているように見せておきながら、実は巨額な暴利をむさぼっていたとわかる。窮地に立たされたローウェン側が多額な和解金額で和解を提案してくるが、オキーフはすべてをはねつける。ラストはとんでもない巨額をローウェン側がオキーフに払うという判決がでる。

超巨大企業が負けるパターンの典型かもしれない。そして、のちにローウェングループが破産したのは、裁判でそれまでのあくどい商売がばれたのが原因なのだろう。

実話というのに驚かずにはいられない。



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