マイ・バッハ 不屈のピアニスト


 2023.10.4    演奏はピカイチだがプライベートに問題がある【マイ・バッハ 不屈のピアニスト】

                     
マイ・バッハ 不屈のピアニスト [ アレシャンドリ・ネロ ]
評価:3

■ヒトコト感想
天才的なピアノのセンスがあるジョアン。幼少期からその才能が爆発する部分がすさまじい。ピアノ教師がすぐさまその才能を理解し、自分では手に余ると、別のピアノ教師を紹介したりもする。ジョアンのすさまじい演奏は強烈なインパクトがある。有名ピアニストとなり世界各地を飛び回る。ピアノの才能についての問題はない。

難しい曲で、誰もがこの短期間では不可能と思われた曲も弾いてしまう。ジョアンのキャラクターとしては女好きというのがある。これが様々な物議を呼ぶことになり、問題も起こす。遊びのサッカーで手を怪我して指が3本動かなくなるのは軽率でしかない。その後も女関係のトラブルで頭を殴られ指の神経に問題が起こるなど、私生活での影響が強烈にでているピアニストだ。

■ストーリー
幼い頃からピアノが得意だったジョアンは、瞬く間にとその才能を伸ばし20歳でクラシック音楽の殿堂として知られるカーネギーホールでの演奏デビューを飾り“20世紀最も偉大なバッハの奏者"として世界的に活躍するまでになる。一流の演奏家として世界を飛び回っていたジョアンだったが不慮の事故により右手の3本の指に障害を抱えてしまう。ピアニストとしての生命線である指が動かせなくなった彼は不屈の闘志でリハビリに励み再びピアニストして活動できるまでになる。ついに復帰を果たし自身の代名詞ともいえるバッハの全ピアノ曲収録という偉業に挑戦をしていた彼にさらなる不幸がのしかかる…

■感想
幼いジョアンはピアノの才能をいかんなく発揮し周りを驚かせる。ジョアンの鍵盤さばきはすさまじい。楽譜についてもバッハの曲ならばすべて暗譜しているというすさまじい状況だ。ピアニストとして若くして成功し世界をツアーで回る。

娼婦の館に入りそこで女に目覚め、そこから女遊びに力を注いだりもする。ジョアンのピアノの才能と演奏についてはまったく問題ない。ピアノの能力についての山や谷はない。才能はすさまじいが、指が動かないハンデを背負ってこそ物語としての面白さが生み出されている。

怪我をして指が3本動かなくなる。それでもジョアンはひたすらピアノを弾く。ジョアンの存在意義はピアノしかないのだろう。誰もが認める才能。鍵盤が血まみれになりながらも演奏を続けるシーンはすさまじいインパクトがある。

指が動かなくとも演奏を続ける。その後、頭の怪我で指の神経に問題が起きたとしても…。タイトルの不屈のピアニストというのは、まさにジョアンにぴったりの言葉だ。下手したら片手を失ったとしても片手だけで演奏し続けるような感じだ。

一度引退後、復帰する。マンションでピアノの練習をするが、音がうるさくて周りから苦情がくるかと思いきや…。よく聞きたいので窓を開けてくれというリクエストがくる。この流れが最高だ。高齢となり復帰するのはリスクしかない。

過去の自分の演奏と比較されるのはもちろんのこと、自分自身ももっとできるはず、という思いから納得できるのだろうか。ジョアンはそれだけピアノが人生の全てなのだろう。全盛期で引退するのもありだが、最後までしがみつくのも良い。

強烈な演奏シーンが続いていく。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp