ムーラン 美しい英雄


 2022.7.25     ムーランの圧倒的な強さ【ムーラン 美しい英雄】

                     
ムーラン 美しき英雄 [リウ・ヨンシー]
評価:3

■ヒトコト感想
遊牧民が北魏に攻め込んできた。戦場で英雄となった女剣士ムーランが暮らす北魏に遊牧民が攻め込み戦うことになるムーラン。対して遊牧民側にはハーンという大将がいるのだが…。ムーランが遊牧民の捕虜となり、囚われてしまう。本作のポイントは遊牧民側内部で内乱が起きており、ボスのハーンの座を狙く坤鵬が策略を練る。

ハーンを暗殺し、それをムーランの仕業としようとしたのだが…。ムーランの鮮やかな剣技は他を圧倒する。そして、ハーンの娘と出会い、ムーランとハーンの娘は本来なら敵対する関係のはずが友情のようなものが芽生えてくる。ムーランはハーン殺しの無実を晴らすため戦う。北魏と遊牧民の激しい戦い。特に城攻めは見ものだ。

■ストーリー
ムーランが暮らす北魏に、遊牧騎馬民族の柔然が攻め込んできた。父の代わりに男性と偽り戦地で功績をあげ英雄となったムーランは、故郷に戻ってからも男装のまま正体を隠し生活をしていた。再び戦地に赴いたムーランは城を守る皇帝の息子である将軍を救い出すが、自らは包囲され捕虜となってしまう。敵陣で捕虜となっても持ち前の勇敢さ、利発さ、公正さで柔然の大汗(君主)の娘や一族からも一目を置かれるムーラン。

そんな中、柔然内で大汗に反抗的な武将・坤鵬の策略で内乱が起き、大汗は暗殺されてしまう。暗殺を目撃したムーランだったが、混乱に乗じて敵陣を脱出。だがムーランは坤鵬の嘘により暗殺犯に仕立てられてしまう。柔然は戦から民を救いたければムーランを差し出すよう条件を出す。無駄な犠牲を避けるため、真実を知るムーランはひとり敵陣に出向き、真犯人の坤鵬と一騎討ちをすることに・・・

■感想
女剣士のムーランが身を挺して戦い、皇帝の息子を救い出すことに成功する。その代償としてムーランは遊牧民に捕らえられてしまう。遊牧民が籠城する北魏を攻める。この城攻めは遊牧民が圧倒しているようでありながら、実はそうではない。

遊牧民内部では攻め続けるかの議論が続けられている。北魏としてもこのまま籠城し続けて大丈夫なのかと不安感が充満する。北魏内部と遊牧民内部でそれぞれの事情がよくわかる流れとなっている。捕らえられたムーランとしても遊牧民内部の不穏な動きを感じとれている。

物語はムーランを中心として遊牧民内部での出来事がメインで描かれている。ムーランとハーンの娘のちょっとした友情、そして遊牧民内部での権力争い。徹底的な悪として描かれているのはハーンを暗殺した坤鵬だ。序盤ではムーランと同郷の男としてムーランを騙そうとする。

それがムーランに見破られると、開き直って遊牧民たちにハーンを暗殺したのはムーランだと声高に叫ぶ。結局はムーランと坤鵬の一騎打ちとなる。男の力でムーランを倒そうとするのだが…。

遊牧民と北魏の対決としては、大将を失った遊牧民が敗走することになる。ハーンの娘は第二のハーンとなる者と婚約することになっているのだが…。ムーランひとりが鬼神のような働きをしている。捕らえられそうになった皇帝の息子を救いだし、内乱を起こした遊牧民の内部で敵の大将を倒す。

ムーランが囚われていなかった場合、坤鵬が第二のハーンとなり逆に一致団結して北魏を破っていたのかもしれない。ムーランがそこにいたことで事態は変化している。

ムーランの圧倒的な強さが印象的だ。



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