ムーンフォール


 2022.12.7     すごいのは映像だけだ【ムーンフォール】

                     
【ムーンフォール】Moonfall <ローランド・エメリッヒ監督作品>
評価:2.5

■ヒトコト感想
月の軌道が変わり、数週間後に地球に衝突する系の物語だ。この系統の定番として、無名の研究者が月の軌道に変化がでていることに気づく。NASAにそのことを連絡するのだが…。地球の危機を救うのは、元宇宙飛行士の男だ。不遇な扱いを受けてきた研究者と宇宙飛行士が地球を救う。月が実は人工的に作られた建造物というのはかなりぶっ飛んでいる。

高度な文明をもった世界でAIが暴走し、それが月にまでやってくる。なんだか、元の技術力の高さから地球の宇宙船に助けを求めるというのは違うような気がした。地球に月が近づくとどうなるのか。月の引力で地球の建物が上空に引っ張られる場面は強烈なインパクトがあるのは間違いないのだが、インパクトがあるのはその映像だけだ。

■ストーリー
2021年、NASAの宇宙センターは衝撃と緊張に包まれる。謎の力で軌道から弾かれた月が、数週間で地球に激突するというのだ。謎に立ち向かう危険な任務に、NASA副部長のジョー(ハル・ベリー)、超一流の宇宙飛行士だったが、ある事故の責任からNASAをクビになったブライアン(パトリック・ウィルソン)、自称“天文学博士”で陰謀論者のK.C.(ジョン・ブラッドリー)が挑む。果たして、最終手段の核爆弾が用意され、人々がパニックに襲われる中、彼らは人類を救うことが出来るのか? そして月に隠された秘密とは?

■感想
自称天文学博士のKCが月の軌道が変化していると発見する。月の軌道が変わると地球に近づき、月が地球に激突すると、当然ながら地球は滅亡する。KCが調べた結果をNASAに連絡しても、NASAは反応しない。この流れはいつものパターンだ。

世界規模の問題ではあるが、いつもどおりアメリカ主導で月を核ミサイルで破壊する案もでている。放射能汚染を考えないやり方なのだが…。NASAをクビになった宇宙飛行士のブライアンとKCが地球を救うために動き出す。

月は実は高度な文明をもった者たちが作り上げた建造物だった。AIの反乱から逃げた先で月を作り上げた。まずこの段階でぶっ飛んでいる。KCがとんでも理論として提唱してきたことが実は事実だった。月の内部にはまるで宇宙船のような構造となっている。

意思をもったAIがマイクロマシンの集団となり襲いかかってくる。まさにマトリックスのような世界だ。ナノマシンなので細かい動きがまさに蛇のような感じとなる。電気的な反応と有機的な反応のふたつがある物体に対して自動的に攻撃するナノマシンの集団だ。

月が地球に近づき、月の引力に引かれる映像は強烈だ。月の引力により海の水が空に浮かび上がる。そして、当然ながら大洪水が発生する。まさに津波の映像そのままに、近代的な都市が水没していく。強烈なのは都市の上空に巨大な月が近づいているのがそのまま目視できる場面だ。

空全体が月に覆われている。まさにこの世の終わりのような場面だ。高度な文明をもつ月内部のシステムが、なぜか地球の小型宇宙船に頼ることになる。この違和感だけは最後まで拭い去れなかった。

映像的なインパクトはすさまじい。



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