みをつくし料理帖/松本穂香,奈緒,若村麻由美,浅野温子,窪塚洋介,小関裕太,角川春樹(監督、製作、脚本),高田郁(原作)
評価:3
■ヒトコト感想
大阪で生まれた8歳の澪と野江は幼馴染だ。そんな二人が暮らす大阪を大洪水が襲い、ふたりは離れ離れになってしまうのだが…。みよは両親を亡くし引き取られ江戸で女料理人となる。基本はみよの料理物語となっている。さがり眉とあだ名をつけられるほど、ぼんやりとした表情をしているみよ。
料理は丁寧な出汁をとって作るタイプで、江戸で大うけする。大阪の味を江戸にもってきたということで話題となる。みよの料理に対するスタンスと、客たちがみよの料理を食べるために行列を作る場面が強烈だ。ライバルの料亭から嫌がらせを受けたり、店を焼かれたりするのだが、そのたびにたくましく復活している。やえとの出会いがすべてであり、ラストの再会が本作のメインだ。
■ストーリー
時代は享和二年の大坂。暮らし向きは違えども8歳の澪と野江は、まるで姉妹のように仲が良い幼なじみだった。「何があってもずっと一緒や。」しかしそんな2人が暮らす大坂を大洪水が襲い、澪と野江は生き別れてしまう。それから10年後。大洪水で両親を亡くした澪は引き取られ、江戸の神田にある蕎麦処「つる家」で女料理人に。野江は吉原にある遊郭に買い取られ、幻の花魁・あさひ太夫と名乗っていた。澪が苦心して生み出した料理が、別々の人生を歩む2人を再び引き寄せていく。
■感想
みよとやえ、幼馴染のふたりが大阪の洪水で離れ離れとなり、それぞれの道を歩み、のちに再会する物語だ。序盤ではみよが新米料理人として奮闘する姿が描かれている。大阪の味とは異なる江戸の味。ところてんが、大阪では黒蜜をかけて食べるのに対して、江戸では酢醤油で食べる。
この違いの驚きや、かつおだしの魅力にみよは取りつかれていく。みよが女料理人としてレベルアップしていき、店が評判となる。かつおだしを使った茶わん蒸しが大評判となったりもする。
ライバルの料亭がみよの味を盗んでおなじような茶わん蒸しを作ったりもする。ライバル料亭とのトラブルがあり、嫌がらせをされ、ついには店に火をつけられたりもする。どん底の状態ではあるが、みよはたくましく生き続ける。
やえと思われる花魁の使いがみよの料理をとりにくる。やえは花魁として有名になりすぎたため、みよと会うことができない。やえの支援によりみよの店は復活するのだが…。みよが様々な人々の支援によりたくましく生きていく。
みよが常に下がり眉で困ったような表情をしているのが印象的だ。かと思うと料理に対しての主張は強い。本作は小説が原作でかなりの長大なシリーズのようだ。みよとの親密な関係が描かれている男が複数おり、何かしら恋のごたごたもあるのかもしれない。
2時間の映画に収めるためには、メインどころのエピソードだけを切り張りしているのだろう。みよが会いたくて仕方がないやえと、どのようにして会うのか。やえ側のトラブルもあり、波乱に満ちている。
どの料理もおいしそうだ。