2024.3.5 四角いヌメヌメとしたカニのようなエイリアン【見えざる手のある風景】
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評価:3.5
■ヒトコト感想
近未来はエイリアンに支配された地球。よくあるSF映画のように恐怖による支配ではない。高度なテクノロジーによる経済的な支配だ。地球人の大半が貧困になり、エイリアンにかかわる仕事をしている者だけがリッチになる。究極の格差社会が出来上がっている。
それまで会計士や医者など上流階級であった職業の者たちが仕事を失い落ちぶれていく。元有名な外科医がエイリアンが乗るカートの運転手になっていたりもする。学校では教師が首になりエイリアンが用意した動画が授業となる。エイリアンに支配される地球の新しい形だ。そんな世界でティーンエージャーたちが、稼ぐために自分たちの恋愛を生配信したりもするのだが…。エイリアンが絶妙に気持ち悪いのが良い。
■ストーリー
近未来、地球はあるエイリアンの種族に占領される。その官僚主義的支配と高度なテクノロジーによって、地球の大半が貧困と失業にあえぐ中、2人のティーンエージャーが家族の未来を守るためにリスキーな計画を立てる。
■感想
エイリアンに占領される。ただ、暴力による占領ではないだけによりたちが悪い。高度なテクノロジーによる経済支配をされると何もできない。エイリアンたちが住むのは空中に浮かぶ島だ。下界はまるでアンダーグラウンドのような位置づけなのだろう。
空中の島に住む者たちは不要になった物を下界に落とす。いわばごみ溜めのような場所となっている。食べ物もエイリアンが合成した肉の味がするものや野菜の味がするもので、宇宙食のような四角い塊だ。
貧困にあえぐ家族たち。ティーンたちは自分たちで稼ごうとやっきになる。クラスメイトの家がなくなり路頭に迷っているのを助けたのがきっかけとなり恋愛関係になる。そこからふたりはリアルな恋愛バラエティとしてふたりの日々を生配信するのだが…。
ふたりが別れる直前にも配信していたことが、詐称につながるということで訴えられてしまう。この危機を脱するにはエイリアンを受け入れるしかない。秀逸なのはエイリアンが人類の生活を体験したいからとホームステイのような形でエイリアンが父親になる場面だ。
結局、エイリアンと人間はあいなれない。地球人の芸術はエイリアンからするとわかりにくい。エイリアンに評価された少年は大喜びでエイリアンの世界で芸術的な活動を行おうとするのだが…。自分の考える芸術とエイリアンたちの考える芸術の違いに愕然となる。
エイリアンの姿がカニのような形をしており、コーヒーテーブルと揶揄されている。ぬめぬめとしたコーヒーテーブルの言いなりになるのは嫌だと考える者たち。この新しいエイリアンに支配されたパターンは面白い。
エイリアンは、手をこすることで人類と同じ言葉を話すのは強烈だ。
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