マイクロスパイ・アンサンブル 


 2023.4.20      猪苗代湖を中心としたスパイ物語 【マイクロスパイ・アンサンブル】

                     
マイクロスパイ・アンサンブル [ 伊坂幸太郎 ]
評価:3
伊坂幸太郎おすすめランキング
■ヒトコト感想
音楽フェスで配られた短編小説をまとめた本作。連作小説なのだが、最初は?が頭に浮かび上がった。途中から仕組みがわかり、理解して読み進めることができた。謎のスパイが活動するパートと猪苗代湖を舞台とした物語。この二つが繋がっているようでよくわからない。が、中盤からはっきりとしてくる。

スパイの物語は、実は小人の物語となっている。そのため、猪苗代湖での出来事が、小人のスパイたちへも影響してくる。仕組みが判明してからは、お互いが行き来したりもする。この仕掛けがメインであり、いつもの伊坂幸太郎作品風味のキャラクターたちが活躍してくる。ちょっと特殊なので伊坂作品に慣れていないと辛いかもしれない。

■ストーリー
どこかの誰かが、幸せでありますように。失恋したばかりの社会人と、元いじめられっこのスパイ。知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり……。ふたりの仕事が交錯する現代版おとぎ話。付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、どこにも居場所がないいじめられっ子、いつも謝ってばかりの頼りない上司……。でも、今、見えていることた゛けか゛世界の全てし゛ゃない。優しさと驚きに満ちたエンターテイメント小説!猪苗代湖の音楽フェス「オハラ☆ブレイク」でしか手に入らなかった連作短編がついに書籍化!

■感想
いくつかのパートに別れている。社会人の物語は心が温かくなる。失恋もそうだが恋愛については考えさせられるものがある。太っている女性がそのことを弄った男との関係が悪くなるどころか、性格の良さがにじみ出るような対応となる。

そこからまったく無関係と思われる元いじめられっ子のスパイのパートとなる。それぞれは興味深いが、無関係と思われたふたつのパートが実は繋がっていた。序盤では社会人のパートで猪苗代湖での出来事が起こる。それがそのまま、スパイのパートで大きな出来事として描かれている。

猪苗代湖で大量のカゲロウが登場した時、スパイのパートでは、いじめられっ子スパイがピンチに陥るが、カゲロウにより助かるった。何か繋がりがあるようだが…。実はスパイのパートは小人の国の出来事だとわかる。

猪苗代湖でのちょっとした出来事が、スパイのパートで大地を揺るがすような大きな出来事となる。なぜ猪苗代湖かというと、音楽フェスの舞台だからだろう。内容的にこじんまりしており、福島周辺がメインとなっている理由も判明した。

伊坂幸太郎作品独特のキャラクターたちが暴れまわる。イメージしたのはドラえもんのガリバートンネルだ。小さくなったり大きくなったりできる。それが作中ではある偶然がそろうとドアが出来上がり、小人の国へ向かったり、逆に現代へ向かったりできる。

小人の国でのスパイを交えた戦いが、最終的にはゲームでの対決となるはさすがに強引すぎる。何かしら音楽フェスと関連しているのだろうか。ある程度の制約があるのだろうと想像できる強引な展開だ。

音楽フェスの会場では盛り上がる内容だろう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
*yahoo.co.jp