2022.3.28 ボクシングやサッカーではなくバレエだ【リトル・ダンサー】
リトル・ダンサー [ ジェイミー・ベル ]
評価:3
■ヒトコト感想
バレエに目覚めた少年ビリーの物語だ。昔気質で炭鉱で仕事をする父親からボクシングかサッカーをやれと言われて育ったビリー。ビリー自身は偶然出会ったバレエに魅了され、父親や兄に内緒でバレエを密に習い始める。ストライキに必死となる父親と兄を尻目にバレエに熱中するビリー。同級生の女の子や周りから奇異の目で見られるが、バレエの先生からはその才能を見出されていく。
男がバレエなどやるのは許さないという古い考えの親たちの中で、ビリーはどうバレエに集中するのか。内緒でバレエを練習していたことが父親にバレてからが本作のメインなのだろう。最後には父親や兄がビリーのために協力して金を集め、その結果として、ビリーが羽ばたいていくのは感動的ですらある。
■ストーリー
1984年、イングランド北部の炭鉱町。ボクシング好きの父からボクシング・ジムに通わされていた11歳の少年ビリーは、偶然目にしたバレエに心を強く惹かれ、父に内緒でバレエを習い始める…。
■感想
古いイングランドの炭鉱町では、男は男らしくボクシングかサッカーをやれという気持ちもわかる。男がバレエをやるなんてことはありえないのだろう。そんな時代にビリーはバレエに興味をもち、父親に内緒でこっそりとバレエを習い始めてしまう。
ストライキを続ける父親たちと、バレエに没頭していくビリー。同級生の女の子と仲良くなったり、親友の男が実は男に興味があったりとかなり強烈なインパクトのある流れとなっている。
隠れてバレエをやっていたことが父親にバレてしまうビリー。ここで父親と兄はビリーがバレエをやることに猛反対するのだが、ビリーがひっそりとひとりでバレエを練習している姿を見て考えを変える。父親がビリーのために、スト破りをしてでも金を稼ごうとする姿は強烈だ。
自分たちが夢を追いかけることができなかったので、ビリーには自分の夢を追いかけてほしいという父親の思いは心に響く。近所の人々が協力して資金を集め、ビリーはバレエ学校の試験を受けることになる。
試験の場面でのビリーのダンスは、うまいのか下手なのかよくわからない。ただ、ビリーが踊っている間に頭が空っぽになると答えたあと、結末がどうなるかは微妙だった。結局は合格するのだが、ギリギリまでどちらの展開もあるだろう流れとなっていた。
ラストで感動的なのは、ビリーがバレエ学校に入ってから数年後、白鳥の湖の舞台でひとり主役として躍動するビリーの姿はすさまじい感動を呼び起こすことは間違いないだろう。その姿を父親と兄が客席で眺めているのも感動的だ。
ビリー少年のバレエシーンは、うまいのか下手なのかよくわからないが強烈なインパクトがある。
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