ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実


 2023.8.21    大統領が授与する名誉勲章の意味は重い【ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実】

                     
ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実
評価:3

■ヒトコト感想
ベトナム戦争での功績が認められ名誉勲章を授与されるはずだった男が却下された。その真相を探る物語だ。名誉勲章がどの程度のものかわからないが、大統領が授与するということは日本でいうところの国民栄誉賞のようなものなのか。官僚のハフマンが30年以上前に戦死した兵士ピッツェンバーガーの功績をさぐる。

空軍の落下傘救助隊であるピッツェンバーガーは激しい戦闘で負傷兵が大量にでている戦場に、ヘリから降りて衛生兵として行動した功績が認められたはずだった。自分の命を顧みずに仲間を助けようとした行動が名誉勲章の対象となるのだが…。現場で何が起きていたのか、当時の兵士たちに話を聞く物語だ。実話ベースなのかもしれないが、基本は戦場で何が起きていたかを振り返る物語となっている。

■ストーリー
1999年、ペンタゴン空軍省の官僚のハフマンは、30年以上も請願されてきたある兵士の名誉勲章授与の精査を行うことになる。1966年のベトナム戦争下、空軍落下傘救助隊のピッツェンバーガーは敵兵の奇襲を受け孤立した陸軍中隊の救助にヘリで向かうが、あまりにも激しい戦闘のためヘリは降下できなかった。すると彼はその身一つで地上に飛び降り、自らの命は顧みず負傷兵たちを救出していくが、ついに銃弾に倒れてしまう。

戦後、ピッツェンバーガーの両親と戦友タリーは、彼の功績は、名誉勲章授与にふさわしいと何度も軍に働きかけるも却下され、彼の武勲は叶わないままだった。はじめは気乗りしないハフマンだったが、歴史に埋もれた英雄を知る退役軍人たちの証言を求めてアメリカ各地からベトナムのハノイまで調査を進める。やがて、ピッツェンバーガーの並外れた勇気ある行動を知るに及んで、大きく心を動かされる。

そして、彼に名誉勲章が授与されなかった背景に驚くべき陰謀が隠されていたことに気がつくのだった…。

■感想
名誉勲章が授与されるはずだったピッツェンバーガーは勲章を格下げされた。なぜそうなったのか。再度調査をし直すことになり官僚のハフマンが動き出す。過去、戦場で何があったのか。ピッツェンバーガーと共に戦った者たちが証言する。

ピッツェンバーガーがヘリから降りて兵士たちを助け出す。本来なら、ヘリに収容して連れ戻すだけが任務のはずが…。戦場に降りることで、それは限りなく死が近づいているということだ。さらには、次々と発生する負傷兵たちを救助し続けると、ピッツェンバーガーはヘリに戻れなくなる可能性もある。

今は老人となったかつての兵士たち。ピッツェンバーガーがどのような活躍をしたかを語るのだが、それ以外にどれだけ過去の戦場が悲惨だったかが語られる。ベトナム兵士が待ち伏せした場所に突っ込んだ米兵。誰がこの作戦を考えたのか。

兵士のひとりは、自分が空軍の爆撃による距離を間違えたため、仲間が多数負傷したことがことの発端だと語ったりもする。ハフマンが聴取した兵士たちはみな一筋縄ではいかない癖のある人物たちだ。回想で登場する戦場の描写は悲惨でしかない。

ピッツェンバーガーは衛生兵であるにも関わらず、負傷した仲間のために銃をもって戦う。そして戦死する。ピッツェンバーガーの父親がガンで余命わずかということもあり、急いで名誉勲章の申請をするハフマン。もうひとつのポイントはハフマンの再調査を妨害する勢力がいることだ。

都合の悪い真実を明らかにさせないための妨害。ハフマンが自分の出世を諦め、この調査に心血を注ぐ。その結果…。本作は実話をベースにしているのだろうが、アメリカらしい戦争の英雄を描いた作品だ。

名誉勲章の扱いが最後までよくわからなかった。



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