黒い司法 0%からの奇跡


 2023.3.14     色濃く残る黒人差別【黒い司法 0%からの奇跡】

                     
黒い司法 0%からの奇跡 [ マイケル・B・ジョーダン ]
評価:3

■ヒトコト感想
実際に起きた出来事を描いている。強烈なのは、当たり前に黒人というだけで犯罪者とされ、そのまま冤罪で死刑執行されるという部分だ。新人弁護士のブライアンが黒人たちの冤罪を晴らすために動き出す。マクミリアンの弁護の場面では、証言が正しくないということで、再審請求を行う。ここで、誰もが再審されると思っていたのだが…。

判事は却下する。結局はマスコミの力を使い、無実の罪での死刑について訴える。ブライアンが様々な嫌がらせを受けながら、最後まで信念を曲げることがない。白人の警官たちが当たり前のように黒人たちを迫害する。信じられない出来事だが、当時は当たり前のことだったのかもしれない。ラストの裁判の場面は感動的だ。さらにはエピローグで登場する実際の映像がすさまじいインパクトがある。

■ストーリー
ハーバード・ロースクールを卒業したばかりの新人弁護士ブライアン・スティーブンソンは金になる仕事を蹴り、アラバマ州で黒人たちの冤罪を晴らすために奔走する。地元の人権活動家エバ・アンスリーの協力を得て、ブライアンはウォルター・マクミリアンの弁護という困難な仕事に着手する。ウォルターは世間を騒がせた殺人事件の犯人とされ、死刑判決を受けていた。複雑怪奇な司法や政治の世界、あからさまな人種差別に直面しながら、ブライアンは闘う。差別的な構造によって苦しむウォルターや彼同様の境遇にある者たちのために。

■感想
普通に車を運転していると、突然目の前で警察が登場し逮捕される。まったく自分に心当たりがなくとも、誰かが証言したらそれだけで逮捕され死刑の判決がでる。こんなことが黒人に対しては当たり前に行われていたことに衝撃を受けた。

警察は難解な事件の解決にイライラし自分たちで犯人を作り上げたような形だ。真犯人は別にいるがそこは見て見ぬふりをする。ブライアンは無実の罪で死刑にされそうなマクミリアンを救うために奔走する。それは生半可なことではない。

黒人の新人弁護士が動き出す。突然、生意気な若者がやってくれば、刑事や検察は拒否感を示す。ブライアンに対する嫌がらせは強烈だ。何もないのに夜に突然車を止められ身体検査をされ銃を突きつけられる。ただの脅しでしかないのだが…。

白人警官の中にも良心がある者はいるのだが…。マクミリアンの家族たちからの期待を背負うが、うまくいかない。嘘の証言をした白人の囚人との面談は強烈だ。囚人も嘘の証言をしないと自分が死刑にされるために、警察に協力する。なんだか、へどが出るような展開だ。

囚人が証言を覆したとしても、判事は再審請求を棄却する。これがまさに意味のわからない展開だ。明らかにメンツのためだけに拒否している。誰もがマクミリアンが無罪というのはわかっていながら、それを認めようとはしない。最終的にマスコミに訴えることで、すべての流れは変わる。

その後、ブライアンが次々と冤罪を暴きつづけるのが強烈だ。実際の映像を交えながら、つい最近まで無罪で30年もの長い間死刑囚として収監された人物がいたのは衝撃的すぎる。

黒人差別はまだ色濃く残っているのだろう。



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