孤独にさようなら 


 2024.2.20      声を失った少年の復活物語 【孤独にさようなら】


                     
孤独にさようなら / 辻仁成
評価:3
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■ヒトコト感想
震災で両親を亡くし心に傷を負った少年イタルを描いた作品。心を病んだことで言葉を発することができないイタル。奥深い森の中で世捨て人のような暮らしをしていた3人のおじさんと共同生活を通して心の安らぎを得ていく。両親を失い親戚に引き取られたイタルは心に傷を負い話をすることができなくなる。学校での生活も苦労する。

普通に考えるとつらい人生なのだが…。3人のおじさんたちとの出会いで大きく変わっていく。山奥での自給自足生活というのは確かに心身の健康には良いのかもしれない。体を動かし汗をかいて早寝早起きをする。世捨て人のような生活なのかもしれないが、気持ちはよい方向に変化してく。ただ、一生山奥での生活を続けるわけにはいかない。

■ストーリー
心に傷を負った少年イタルは、奥深い森の中に迷い込んだ。そこで出会った3人の男たち、キング、ヨゲンシャ、ブンセキ。不意に始まった彼らとの共同生活は少年に安らぎを与え、日々の小さな奇跡は少年に再び希望をもたらした。「生きる」とは?少年の成長を描く感動の長編小説。

■感想
心に傷を負った少年イタルは親戚に引き取られて生活している。親戚の家族関係が悪いためイタルにかまっている暇がない。心が病んでいる少年にとっては、過酷な環境なのだろう。逃げ出した先で、偶然に知り合った3人のおじさん。

キング、ヨゲンシャ、ブンセキとそれぞれ特殊な名前が付き、役割分担が決まっている。キングが目が見えないことや、株で資金を稼いでいるなどがある。序盤では自給自足の生活をしている中に入り込んだイタル。体を動かすことで心身がリフレッシュするというのはあるのだろう。

イタルは3人のおじさんと生活することに心地よさを感じている。イタルの声が復活し、そこから日常に戻り始めるのだが…。親戚との生活はイタルを苦しめ続ける。かといって、おじさんたちとの生活はイタルのことを誘拐したとおじさんたちに迷惑がかかる可能性がある。

イタルはおじさんたちとの生活で苦悩から解放される。後半ではおじさんたちのバックグラウンドがメインに語られている。どのような経緯で世捨て人のような生活をするようになったのか。。。

イタルはおじさんたちから株取引のノウハウを学ぶ。自給自足という生きるために農作物を育てる生活をしていながら、一方では何も生み出さない株取引により大金を得ている。株でもうけた金はしっかりと目的のあることに使用している。

実はキングは投資家として有名であり、今でもその影響は多方面にあった。このバックグラウンドとイタルの考え方が一致し、イタルは株取引にのめりこんでいく。孤独で言葉を失った少年が復活するにしては安易に感じられた。

少年の復活物語だ。



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