北里柴三郎 


 2022.9.10      感染症対策に尽力した人物 【北里柴三郎】

                     
北里柴三郎 よみがえる天才7 (ちくまプリマー新書 398) [ 海堂尊 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
お札の肖像画になる人物。北里大学だとか、その名前が有名なので人物名としては知っていた。ただ、具体的に何をやったかというのはわかっていない。本作を読むことで北里柴三郎が何をやって、どのような人物であるかがわかる。感染症対策に力を注いだ人物というのがわかる。ただ、それだけでなく性格的には偏屈で敵が多かったというのもわかる。

さらには東大派閥と対立しており、その遺恨はもしかしたら今も残っているような記述すらある。ドイツへ留学し感染症を研究する。とてつもない時間がかかるのと、論文を発表してもそれが事実ではない可能性すらある。医学の進歩により今の生活があるというのがよくわかる。北里柴三郎たちの研究がなければ、今も人類は多数の感染症に苦しめらることになったのだろう。

■ストーリー
日本の医学と医療の基盤を創った巨人の足跡をたどる本格伝記。医学研究とは、社会の衛生とは、感染症とどう戦うか――北里の残した答えは現代にも生きている。

■感想
お札の肖像画となれば一般的な認知度も高くなるのだろう。ただ、夏目漱石や福沢諭吉などと比べるとどの程度の知名度なのか。北里柴三郎としてどのような功績があるのか。正直いうと自分はよくわかっていないが、本作を読むことでなんとなく理解できた。

日本というか世界の医学の発展に貢献してきた人物ということだ。ドイツへ留学し感染症について研究を続けてきた。ただ、純粋に医学としての成果だけでなく、様々なトラブルもあったというのがよくわかる。特に東大閥との激しい対決は印象的だ。

ドイツでの留学で、帰国の期限がきても延長して留学し続ける。それは感染症の研究として成果をだすためだ。ただ、国の費用で留学しているので様々な軋轢がある。北里が参加している伝染病研究所についても国の管理下におかれるのかで大きく変わってくる。

医療の進歩のために尽力してきた人物であり、正しくないことがわかれば、たとえ自分の師匠であっても明確に否定する。論文で相手をめちゃめちゃにすることで、正しいのかもしれないが、敵が多くなるのは間違いないのだろう。

日本の医学と医療の基盤を作った人物ということで、野口英世よりも本来なら有名人なのかもしれない。今回、お札の肖像画になるということで一般の知名度が格段に高くなることだろう。赤痢菌やそのほか多数の感染症については北里柴三郎の弟子たちが菌を発見したらしい。

今、現在のコロナ騒ぎの際にも、後世に残る何か新発見をした人物がいるのかもしれない。北里柴三郎が作り上げた基盤を利用し現在の日本の医療が作り上げられている。それほどの人物だとは知らなかった。

改めて、偉大な人物だということがわかった。



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