ケイコ目を澄ませて


 2023.8.19    耳の聞こえない女子プロボクサー【ケイコ目を澄ませて】

                     
ケイコ 目を澄ませて
評価:2.5

■ヒトコト感想
生まれつき耳が聞こえないケイコが、さびれた下町のボクシングジムに通う。ケイコはプロボクサーとしてデビューしており、その特殊性から話題となる。主役のケイコが話をしないため、全編静かな物語となっている。ジムが閉鎖すると決まった際のケイコの思いは微妙だ。周りがケイコのために別のジムを斡旋したのだが、ケイコは家から遠いという理由で断る。

ケイコのボクシングに対するスタンスがよくわからない。ジムの会長がいるからボクシングをやっていたのか。それにしては熱心に毎日練習し練習日誌を書いたりもしている。両耳が聞こえないことが、ボクシングにおいては大きなハンデになることに驚いた。ラストでケイコが負けた相手が、工事現場で作業服を着て作業している場面がある。これが現実なのだろう。

■ストーリー
生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえないケイコは、再開発が進む下町の小さなボクシングジムで鍛錬を重ね、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。嘘がつけず愛想笑いも苦手な彼女には悩みが尽きず、言葉にできない思いが心の中に溜まっていく。ジムの会長宛てに休会を願う手紙を綴るも、出すことができない。そんなある日、ケイコはジムが閉鎖されることを知る。

■感想
両耳が聞こえないが、ケイコは毎日熱心にジムに通いボクシングを続ける。耳が聞こえないことでどのようなハンデがあるのか。ケイコのサクセスストーリーではない。ケイコはそれほど強いわけではない。どちらかというとボクシングには向いていない体型をしており、決定的なのは耳が聞こえないことだった。

セコンドの指示が聞こえない、レフリーの声が聞こえない。それでもケイコは勝利している。ケイコが練習するジムは明らかにボロボロだがボクシングに対する熱量はすごいように感じた。

ケイコの日常も描かれている。弟と同居しており、弟の彼女がちょくちょく家に来たりする。家族関係はそれなりのようで。。弟がボクシングに興味を示し、ジムに通いだしたり。母親がケイコの試合を見に来るが、早く辞めてくれと言ったり。

まぁ、普通の反応を示している。それに対してケイコがどのような思いでいるのかは、詳しくはわからない。何せケイコは話をしないのでボクシングに対する情熱にしても、かなり熱心なような気がするが、家が遠いからとジムの移籍を断ったりもする。

ジムの会長との練習を楽しんでいるケイコ。客観的に見るとトレーナーとの関係も良好だが、このジム以外ではボクシングをしたがらない。なぜかは語られない。日常の仕事は耳が不自由で話ができなくてもこなせるほどベテランとなっている。

結局、ケイコがどのような思いでボクシングに取り組んできたのかわからない。ケイコが試合で負けた相手は、ケイコよりも過酷な仕事をしながらボクシングを頑張っていると知り何かしらケイコの心境は変わったのだろうか。

終始静かな物語となっている。



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