神様はいますか? 


 2024.8.1      読者の悩みに過激に答えるエッセイ 【神様はいますか?】


                     
神様はいますか? / 田口ランディ
評価:3
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■ヒトコト感想
田口ランディが読者の悩みに答えるようなエッセイ集。スピリチュアルな世界全開なわけではない。現実的な答えを作者なりの感性で答えている。相変わらず説得力があるというか、刺さる答えが多い。他エッセイで作者やお兄さんや両親の話は大体理解していた。それらの内容が再びエッセイとして語られている。

救いを求める人に対しては、必ずしも百点の答えではないかもしれない。ただ、なんとなくだが希望がもてたり元気がでるような気がした。父親や家族の話をさんざんエッセイや作品として描いてきたのだが、それについて父親が「ありがとう」というのは印象的だ。そのほか、自分も含めて家族は金に縛られた人生だったとか非常に深い内容のエッセイもある。

■ストーリー
生きていくのはけっこう苦しい。だけど、一生懸命に、いいかげんに生きていきたい…。救いを求める人のディープな悩みに、エッセイ風にエピソードを盛り込みながら応え、たくましく生きる術を伝授。

■感想
読者からの質問に答える形で作者の経験などがエッセイで語られる。印象的なのは「友達って何でしょう」のアンサーだ。何もないときに呼び出して飲みに行けるのが友達らしい。だから自分には2人くらいしか友達がいない、と書いており、そのあと、その文章を読んだ知り合いから「俺は友達ではないのか?」というクレームがきたらしい。

付き合った人についても、別れたらまったくの他人と感じ、その人が死んだとしても悲しまないらしい。ちょっと究極にドライな人間のように思えた。

どの質問のアンサーか忘れたのだが、作者を含め家族が金に縛られていたというくだりが印象的だ。金に縛られた父親は働かない兄を追い詰めていた。兄は省エネの生活をしており、作者からもらった少しの小遣いで作者と一緒に食べるためのたい焼きを買ってきたりもしたらしい。

金の呪縛から解き放たれた際には幸せになれる。作者の父親は年金生活となり金の心配がなくなると、途端に仏のような安定した人生を送っているらしい。なんとなくわかる気がするが、非常に心苦しくなるエッセイだ。

結婚し子供もいる作者。周りからは絶対にすぐに別れると思われていたが16年も続いているらしい。その理由は…。ここで別れて別の人と結婚してもまたすぐに同じように別れるから、どうせなら続けてきた流れと子供という鎹があるので続けていると語る。

ただ、こんなことをエッセイで語られると旦那さんはどんな気分なのだろうか。エキセントリックな性格のようにも思えるのだが、話をしてみたいような気もする。意外に話してみたら普通なのかもしれない。

作者の人生観がでているエッセイだ。



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