神の薬じゃない!


 2024.10.14    貧乏人は薬が買えず死ぬしかない?【神の薬じゃない!】


                     
薬の神じゃない! [ シュー・ジェン ]
評価:3

■ヒトコト感想
中国の高価な薬代の問題。白血病の治療に必要な薬が高価で一般人は買えない。そのことにより、多くの一般人が苦労し絶望している。安価で同じ成分の薬がインドに売られている現状。強性剤を販売しているチョンは最初は金もうけのためにインドに渡り薬を密輸するのだが…。次第に病気に苦しむ人たちを助ける気持ちになる。

白血病の治療に必要な薬が高価で買えない。インドの薬を安価で手に入れることができれば生きることができる。この現状を国のルールだからと正規の薬を押し付ける警察組織。薬剤の密輸が、警察に捕まると大きな罪となり刑期は長い。リスクがある密輸をチョンがいつまで続けるのか。実話を元にしていることに衝撃を受けた。

■ストーリー
上海で、男性向けのインドの強壮剤を販売する店主 チョン・ヨン(程勇)は、店の家賃さえ払えず、妻にも見放され、 人生の目標を見失っていた。ある日、「血液のがん」である 慢性骨髄性白血病を患うリュ・ショウイー(呂受益) が店に訪れる。国内で認可されている治療薬は非常に高価であるため、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入して欲しいという依頼だった。

最初は申し出を断ったものの、 金に目がくらんだ程勇は、ジェネリック薬の密輸・販売に手を染め、より多くの薬を仕入れるため白血病患者たちとグループを結成。依頼人の呂を始め、白血病患者が集まるネットコミュニティ管理人のリウ・スーフェイ(劉思慧)、中国語なまりの英語を操る劉牧師、不良少年のボン・ハオ(彭浩)が加わり、事業はさらに大きく拡大していく。

しかし、警察に密輸として目をつけられ始め、一度はグループを解散した程勇だったが、薬を絶たれた患者たちの悲痛な叫びに決意を固める。患者の負担を軽くするため仕入れ値以下の価格で薬を売り、あえて危険な仕事を続ける彼に待ち受ける結末とは……。

■感想
チョンは白血病に苦しむリュからの依頼でインドから白血病の薬を密輸しようとする。中国国内で認可された薬の8分の1の値段でインドの薬が買える。白血病に苦しむ多くの人が助かる行為ではあるが、リスクはでかい。

警察に捕まると、長期の刑期が待っている。チョンはリスクを承知でもうけるために仲間と共に密輸を続ける。その際に、英語を操る牧師や不良少年なども仲間になっていく。雑多で正式な組織としては成り立っていないが、それでも患者の要望を応えるためにインドの薬を密輸し続ける。

偽薬を売り歩いている組織から目を付けられるチョン。警察に捕まった際のリスクを考え、インドとのパイプを相手に売り払うことになる。これで中国国内には引き続きインドの薬が流れ、安心するチョンなのだが…。

偽薬の組織が警察に解体され、インドの薬の流通が止まってしまう。このことで、白血病の患者たちが再び苦しむことになる。チョンの仲間であり白血病患者であったリュさんは、絶望から自殺してしまう。このことにショックを受けるチョンは、持ち出しでもよいので安い価格でインドの薬を売ろうとする。

本作が実話を元にしていることに驚いた。一般人が白血病の治療に必須の薬が高すぎて買えない。絶望して自殺する。そんな状況を目の当たりにしたチョンは、金もうけを度外視にして、自分で持ち出しをして仕入れた価格よりも安く市民に売りさばいている。

強烈なインパクトがあるわけではないが、取り締まる側の警察組織も理不尽な状況に気づいて逮捕するのに戸惑っている。同じ成分なのに国の認可を受けた薬は高価で安い薬は違法となる。貧乏人には死ねといっているようなものだ。

ラストでそれらが改善されているという記述をみて安心した。



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