2023.4.19 実は死にかけていた作者 【書くことについて】
書くことについて [ スティーヴン・キング ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
スティーヴン・キングが自らの半生と、小説を書く上で注意していることがつづられている。序盤では、キングがどのような幼少期を過ごしてきたかが描かれている。非常に興味深い部分だ。作家になるためにどのような苦労があったのか。そして、ドラックとアルコール中毒になった日々。家族との関係は比較的良好なのだが、問題もある。
終盤では散歩をする習慣から健康的になるのだが、大きな事故にあう。死の淵をさまようような危機的状況でありながら生き残る。その他、作者が描いた作品に対する思い入れや、どのような時期にその作品が描かれたかがわかる。自分の読んだことのある作品がでてくるのは非常に興味深いのは間違いない。
■ストーリー
ベストセラーを次から次へと生み出す、アメリカを代表する作家が、自らの「書くことについて」を解き明かしした自伝的文章読本。作家になるまでの苦闘物語から始まり、ドラッグとアルコール漬けの作家生活を語る半自叙伝の回想。書くために必要となる基本的なスキルの開陳。いいものを書くための著者独自の魔法の技。そして「書くことと」と「生きること」を重ね合わせる作者自身の人生観まで。ひとりの作家の「秘密」がそこかしこに語られるドキュメンタリー。
■感想
ベストセラー作家である作者がどのような半生を過ごしてきたのか。幼少期から物書きの片りんを見せている。そこから「書くこと」について考えていく。作家になるまでにどのような苦労があったのか。意外だったのだが、大学でしっかりと文学を学んでいたということだ。
そこから作品を出版社へ送りつけて、日の目をみない作品が多数あったとのこと。地道な投稿生活を続け、少しのチャンスを掴み取り作家として大勢したとのこと。強烈なインパクトはないのだが、キングほどの作家でも下ずみ時代があったということだ。
他の小説家志望の人たちへのアドバイスもある。何よりエージェントを見つけるのが先決らしい。出版社は有望な新人を探し続けている。ただ、そのお眼鏡にかなうかは実力しだい。さらに意外なのは、作品の質以外に必要なものがあるという部分だ。
出版社へ送る作品には相手が内容を一目でわかるような要約をつけるだとか、読んでもらうことへの感謝の一言を添えるなど、それなりに礼節というか作品の質以外にも気を遣う必要があることに驚いた。売れっ子作家がそういうのだから、正しいのだろう。
酒とドラックにおぼれた作者。対策として散歩をする習慣をつけたらしいのだが…。散歩中に交通事故にあったようだ。事故の描写が強烈にリアルだ。車にはねられ、運転手が岩に座って煙草を吸う場面は非常にリアルだ。奇跡的に死の淵から生還した作者。当然ながら救急隊員からは大したことがないように言われたのだが、、
実は一歩間違えれば死んでいたというのは強烈だ。そのほかには、プロの小説家も第一稿ではかなりの訂正が入るということだ。
作家であるキングがどのようにして誕生したかがわかる作品だ。
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