K-PAX 光の旅人


 2023.7.13    プロートは宇宙人なのか?【K-PAX 光の旅人】

                     
K-PAX 光の旅人
評価:3.5

■ヒトコト感想
自分が宇宙人だと主張するプロート。精神的な病気だと判断し治療しようとする精神科医のマーク。このふたりの関係性が秀逸だ。序盤ではプロートの存在はあいまいで本当に宇宙人では?と思わせるような展開が続く。まだ誰も解明していない宇宙の秘密を淡々と語りだすプロート。マークの知り合いの学者も舌を巻くその知識に、マークが混乱するのが最高だ。

科学者たちがプロートの理論に圧倒される。ただの精神異常者かと思われたのだが…。中盤以降、あくまでも病気だと考えるマークは、プロートの隠されたルーツを探ろうとする。その結果、プロートが悲惨な事件で精神が破壊されたとわかるのだが…。プロートが本当に宇宙人なのか、それとも…。最後までどちらかわからないのが良い。

■ストーリー
精神科医マーク(ジェフ・ブリッジス)のもとへ、K-パックス星からやってきたと主張するプロート(ケヴィン・スペイシー)が患者として送られてくる。妄想にしては理路整然と宇宙の概念や哲学などを語る彼。やがてK-パックス星が実在することがわかり、さらにプロートの不思議な力は、他の患者たちをも魅了していく…。

■感想
突如駅の中で光をバックに現れたプロート。千光年も離れた星から、光よりも早い移動で地球へ旅してきた者。ぱっと見は普通の中年男性だが、言うことがぶっ飛んでいる。案の定、警察に連れられ精神病院へと入れられる。

精神科医のマークがプロートを診るのだが…。プロートが信じられないほど理路整然と宇宙の真理を語る。精神異常者の適当な言葉ではない。序盤のマークとプロートのやりとりが最高だ。さらには、マークの知り合いの学者が作った質問に対してプロートはすべて適切に回答している。ここでプロートの只者ではない感が強まっている。

宇宙専門の学者たちの前でプルートが演説をする。学者たちが長年謎としてきたことを、プルートが解決する。ここまでで、プルートは本当に宇宙人ではないかとマークも信じるしかない状態となっていたのだが…。精神病院内では患者たちから様々な相談を受けるプルート。

カリスマ的な存在となり、いつの間にかマークの家族とも仲良くなっている。中盤以降では、プルートの正体が怪しくなってくる。実はプルートは過去にトラウマとなる事件を起こし記憶を喪失した人物ではないかと…。

現実的な答えとなりそうな人物が見つかり、プルートに催眠療法を実施することで、過去の記憶が明らかとなるのだが…。観衆はまだはっきりとわからない。プルートは宇宙人なのか、それともただの精神異常者なのか…。ラストでは衝撃的な結末となる。

プルートが序盤に語っていたことが真実なのだろう。地球で生活するには人間の身体が一番だ。それ以外にもプルートの星では、地球では想像できないような風習がある。どことなく、完全な共産社会化された世界のような気がした。

プロートの正体が最後まであいまいなのが良い。



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