呪術廻戦 夜明けのいばら道 (JUMP jBOOKS) [ 芥見 下々 ]
評価:3
その他おすすめランキング
■ヒトコト感想
呪術廻戦のキャラクターたちの外伝的な物語となっている。原作マンガやアニメでは描かれないキャラクター独自のエピソードが盛り込まれている。印象的なのは釘崎の物語だ。キャラクターとして一番キャラ立ちしているというのもあるが、原作ではそこまで脚光を浴びていない狗巻とのコンビで事件を解決している。
そのほかにも、五条、伊地知、家入の飲み会というのは印象深い。五条がゲコであり、家入が酒飲みというのは見た目から判断できる。青春時代のパートで登場した家入から、どんな経験をしたらヤサグレた家入に変化したのだろうか。メカ丸や京都の面々のエピソードについても、原作では地味なキャラ扱いであった者たちに脚光を浴びるのが良い。
■ストーリー
八十八橋の事件後、街で買い物をしていた釘崎は、何やら馴れ馴れしい男に声をかけられる。男は芸能プロダクションに勤めているスカウトマンらしく、釘崎をスカウトしたいと言うのだ。しかし、男の正体は「言った言葉を信じさせる」という呪言を扱う呪詛師で!?そして釘崎のピンチに駆けつけたのはこれまで接点の少なかった狗巻だった!他にもメカ丸や真依の京都での任務や、東京校一年生がアミューズメント施設で遊び倒したり、五条・伊地知・家入の飲み会など5編を収録!
■感想
釘崎のエピソードは印象深い。街で買い物をしている中で、怪しげな呪詛師に付きまとわれることになる。「言った言葉を信じさせる」ことができる能力をもつ呪詛師。釘崎が相対するのは不利な状況ではある。狗巻が助けにくることで釘崎は呪詛師を倒すことに成功するのだが…。
狗巻の普段の言葉がおにぎりの具というのは原作からわかっていたことだ。そして、「しゃけ」や「昆布」という言葉で日常会話ができるといのはかなり特殊で、今回の経験で、釘崎も狗巻の言葉を理解できる人物のひとりとなっている。
五条と伊地知と家入の飲み会は強烈だ。一番の驚きは五条が酒が飲めないという部分だ。家入は見るからに、目の下にクマがある状態なので、酒飲みの風貌をしている。伊地知はこのふたりから飲みに誘われていることに困惑しており、そこから飲み会が続いてく。
五条が酒飲みの場で、クリームソーダを飲むというのはかなり意外だ。イメージからすると、五条はどれだけ酒を飲んでも一切酔わない状態というイメージがあった。逆に家入はべろべろに酔って周りに絡むようなイメージがあった。
メカ丸や京都のメンバーのエピソードもある。メカ丸は原作でもそれなりに脚光を浴びていたが、別のエピソードでも強烈に描かれている。京都高の面々についても学年が違う女子たちが仲良くしているというのはイメージしやすい。それぞれの能力があり、個性を活かした戦い方をしている。
原作の要素を取り入れつつ、脚光を浴びていないキャラクター達を使い、外伝として描く。原作漫画が終わりに近づいている現在であっても外伝的に描けそうなキャラは多数いるので、この手の作品は増えるのかもしれない。
このシリーズは続きそうだ。