ジョナサン-ふたつの顔の男
評価：3
■ヒトコト感想
毎日時間通りに生活するジョナサン。さわやかでかっこよい青年。生活感のない綺麗な部屋でひとりもくもくと食事をとり、毎朝ジョギングし仕事をして早めに帰る。ジョナサンがひとつの体にふたつの人格をもつというのは早い段階でわかった。脳内にタイマーを埋め込み12時間で人格が切り替わるように仕組みを入れて、生活を維持しようとする。
ジョナサンが朝7時から夜の7時で、もう一つの人格であるジョンが夜を過ごす。それぞれの連絡手段が動画を撮ることなのだが…。お互いに秘密をなくすというのが前提ではあるが、ジョンがエレナという女性と付き合い始めたことで事態は変化していく。自分の知らない間にもうひとりの自分がどんな行動をするのか。とんでもない日常だ。
■ストーリー
規則正しい生活を送る内向的なジョナサン。毎朝7時に起きて、パートタイムの仕事へ行き、一人で食事を取り、毎夜7時までには就寝する。なぜなら彼は、ひとつの身体にふたつの人格をもっているから。もうひとりは、ジョナサンとは正反対の性格の青年ジョンだ。彼らは、脳内にタイマーを埋め込み、互いが12時間で切り替われるよう正確に設定していた。
毎夜7時から午前7時までがジョンの時間だ。嘘はつかない。ビデオメッセージを通して日々の行動についてどんなに些細なことも逐一報告し合っていたふたりは、順調のように見えた。しかし、ジョンがエレナという女性と密かに交際にしていることが発覚したことをきっかけに、ふたりの歯車が狂い始めるー。
■感想
目が覚めると知らない部屋にいたり、殴られていたり。夜の間何があったのか。それを知るのはジョンが撮った動画を見るしかない。12時間ごとに人格が入れ替わる体質となったジョナサン。ジョナサン自身は規則正しい生活をし、ジョンのために食事を作っておいたりもする。
職場では評価されているが、残業ができないため、主要な仕事につくことができない。ただ、そのあたりのことについてはジョナサンはあきらめているようで、自分たちのことだけで精一杯のような感じだ。
ジョナサンメインの映像が続いていく。ジョナサンばかりが日々を心配しているようだ。対してジョンは動画からの判断でしかないが、自由奔放に生きているように見える。ジョンが恋人を作ったと知るとジョナサンは激怒する。
自分たちのこの状態のことをどうやって説明するのか。ある日、ジョナサンはエレナをつけたことから、エレナに見つかってしまう。昼と夜とで全く人格が違うことをどうやって説明するのか。几帳面なジョナサンは、日々波風立てずに穏やかに生活したいのだろう。
人格を消すことができるようだ。いろいろとあり、ジョンはエレナと別れたが、そこからジョナサンがエレナと付き合うことになる。これはジョンには内緒でだ。ふたりの主治医である女性はジョナサンを非難する。同じ体を共有するがまったくの別人であるふたりが同居する。
同じ恋人を好きになる。ジョナサン目線でジョンと入れ替わる時間が変化していく。気づいたら屋上にいたりするのは恐怖でしかない。これはジョンが屋上から飛び降りようとしているからだったのだが…。
強烈な作品だ。