ジョジョ・ラビット


 2024.1.6    ヒトラーの幻と会話をする少年【ジョジョ・ラビット】

                     
ジョジョ・ラビット [ ローマン・グリフィン・デイビス ]
評価:3

■ヒトコト感想
第二次世界大戦下でのドイツを描いた作品。ヒトラーに心酔している少年ジョジョ。兵士になろうと訓練を受けるが、そこで事故にあい顔に傷がつく。ジョジョと母親は明るい性格で戦時下という感じではないコメディチックな流れとなる。ジョジョと母親の二人暮らしの家に、ユダヤ人の少女エルサがかくまわれていることにジョジョは気づく。

ヒトラーに心酔するジョジョはユダヤ人が許せない。ただ、エルサと交流していくうちに考え方が変わってくる。中盤には衝撃的な展開がある。ジョジョはエルサのことを死んだ姉と考えるようになる。兵士となった友達や訓練の教官。そして戦争は終わりに近づいていく。ジョジョが見た世界はめまぐるしく変化していく。

■ストーリー
第二次世界大戦下のドイツ。10歳の少年ジョジョは、空想上の友達であるアドルフ・ヒトラーの助けを借りて、立派な兵士になろうと奮闘していた。しかし、心優しい彼は訓練でウサギを殺すことができず、“ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられてしまう。そんな中、ジョジョは母親と2人で暮らす家の隠し部屋に、ユダヤ人の少女エルサが匿われていることに気づく――。

■感想
ジョジョはヒトラーの幻と日常的に会話するほど、ナチスドイツに心酔している。部屋の中にはヒトラーのポスターや鍵十字のマークが飾ってあったりもする。序盤はかわいらしい10歳の少年ジョジョが兵士の制服を着て必死に訓練をする姿が描かれている。

ちょっと間抜けなジョジョは、手りゅう弾で誤爆し、大ケガを負ってしまう。顔に大きな傷がついた状態で、兵士を首になり町でのビラ配りなどをやることになる。ジョジョの母親は明るく前向きでナチスのやり方を否定している。父親は不在なのだが、何かしらの活動家という流れがあるようだ。

部屋の中に何かいる。ジョジョは最初はお化けかと思っていたのだが…。壁の裏にはユダヤ人の少女エルサがいた。母親が娘の友達であるエルサを助けていた。ジョジョはエルサに脅されるのだが…。ジョジョが現実を認識し始める。

ユダヤ人であるエルサをかくまっていたと秘密警察に知られると、かくまった罪として母親とジョジョが縛り首となってしまう。それを避けるためにジョジョはエルサが周りに知られないように協力するのだが…。秘密警察がジョジョの家に突然やってきて…。

後半では衝撃的な展開となる。エルサはジョジョの姉のふりをして事態を逃れるのだが…。戦争は激しくなりロシア軍がドイツ内部にまで攻め入ってくる。ここからドイツが負け、ジョジョの周りでは教官や仲間たちがロシア軍に連行され別の場所で処刑されていく。

教官はジョジョをユダヤ人だと言い切り、ジョジョを助けている。かわいらしい少年ジョジョの世界はめまぐるしく変化していく。序盤のコメディな展開から母親との交流、そして衝撃的な展開。強烈な作品であることは間違いない。

明るいタッチの中で激しい変化のある作品だ。



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