ジョイランド 


 2024.1.7      大学生のひと夏の冒険物語 【ジョイランド】

                     
ジョイランド /文藝春秋/スティ-ヴン・キング
評価:3
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■ヒトコト感想
大学生である主人公が夏休みに遊園地ジョイランドでバイトをする。遊園地で、大学生のアルバイトの典型の仕事をする僕。同じように大学の長期休みでアルバイトをする同僚の学生もいる。犬のキャラクターの着ぐるみを着て、暑い中で仕事をする僕。同じように仕事をする人物の中で占いのようなことができる人物がいる。ジョイランド内部のお化け屋敷の中に幽霊がいるという噂が立つ。

それも、昔殺害された少女の幽霊ということになる。僕はその噂を信じられない思いで聞いており、そこから体の不自由な少年との交流やその母親との関係など、大学生のひと夏の思い出として描かれている。ちょっとした僕の冒険物語的な流れなのかもしれない。

■ストーリー
1973年。作家志望の大学生であるぼくは、恋人との距離を縮めることのできない鬱屈を抱えながら、夏休みに遊園地「ジョイランド」でアルバイトをはじめた。乗り物の運転から園内の清掃まで、観光シーズンまっただなかの遊園地での仕事は、多忙ながらも楽しかった。しかし気がかりもあった。下宿屋のおかみから聞かされた、4年前に遊園地の幽霊屋敷でかつて喉を切られて死んだ女の子がいたという話。

調べてみると同様の事件が何件も発生していることがわかった。仲間とともに情報をあさった結果、事件の前後に移動式の遊園地が現場近辺に来ているということだった。そしてぼくは、ひょんなことから殺人鬼の正体を告げる事になる。

■感想
さびれた地方の遊園地であるジョイランド。そこで夏休みの間にアルバイトを始めた僕。イメージするのは地方のちょっとした遊園地だ。古い器具がそのまま残っており、係員が何もかもやるような遊園地だ。当然、大きなジェットコースターがあるわけではない。

観覧車やぐるぐる回るちょっとした絶叫マシーン、そして室内をライドするお化け屋敷。昔ながらの遊園地であり、僕はそこで犬の着ぐるみを着て、来園した子供たちを楽しませている。炎天下の中での着ぐるみを着ての活動はかなりつらいのだろう。

同僚の大学生たちは時期がくると大学に戻っていく。僕だけはジョイランドに残ってアルバイトを続ける。そこで謎の占い師と知り合いとなる。占い師が言うには僕が注意すべき人物がいくつかいると警告される。お化け屋敷の中にいる幽霊の少女。

それを見ることができるのは一部の人のみ。過去に、このジョイランドで起こった殺人事件の被害者という噂もある。僕は手袋をつけた人物が犯人だと目星をつけるのだが…。幽霊騒ぎと体の不自由な少年との交流が本作のメインだ。

余命わずかな体の不自由な少年。少年は最後にジョイランドで楽しみたいというのだが…。最初は少年の母親と険悪な雰囲気になっていた僕だが、次第に少年の母親も心を開いてくる。少年はお化け屋敷で幽霊を見る。そこから犯人を見つけるまでにいたる。

犯人に逆襲される僕を助けたのは、少年の母親だった。。。大学生がアルバイトをした遊園地で様々な経験をする。おまけに童貞を喪失したりもする。大学生の仲間たちと再会し、僕は再び大学に復学することになるのだが…。

大学生のひと夏の冒険物語だ。



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