ジョーカー・ゲーム
評価:3
■ヒトコト感想
どうやら小説が原作らしい。軍人として上司を誤って殺害してしまい処刑される寸前に助けられる男。そのままD機関のスパイとして活動することになる。序盤のスパイのイロハの部分や、主人公にスパイの適正がある部分など興味深く見ることができた。それが中盤以降になると、まるでルパンのような流れになっている。
結局スパイと言っても、敵対組織の特殊な情報を盗み出すだけなので、大泥棒のような雰囲気がある。同じく別組織から派遣されてきた女スパイは、まるで峰不二子のような雰囲気がある。スパイ仲間に助けられ、最後は無事に任務を達成する。スパイとして絶対に死ぬな、そして殺すなというのは新しいのかもしれない。続編があるような流れではあるが。。。
■ストーリー
舞台は第二次世界大戦前夜。上官の命に背き、極刑を言い渡された青年(亀梨和也)は刑の執行直前、謎の男・結城(伊勢谷友介)から救いの手を差し伸べられる。交換条件は、男が設立した秘密組織“D機関"の一員としてスパイになること。過酷で奇妙な訓練を経て、青年に与えられたのは“嘉藤"という偽名と、世界を揺るがす“ブラックノート"を奪取するという極秘のミッションだった。
■感想
元軍人の男が処刑されるところを助けられ、D機関のスパイとして活動する物語だ。スパイのイメージは捕まったら自害するようなイメージだが、D機関では独特のポリシーがある。死んだらすべてが終わる。しがみついてでも生き残ることを良しとされている。
そして、たとえ敵であっても殺すことをタブーとされている。このあたり、既存のスパイものと一線を画している。普通のスパイは拷問して情報を吐かせられることを恐れて、その場で自害するのが定番とされているのだが…。
スパイの能力は多岐にわたる。歩きながら会話し、今降りた階段は何段あったのか?なんてことを尋ねられても瞬時に答えられる必要がある。あらゆる場面で周りに気を配りながらの活動となる。敵に捕まった際には、二重スパイとして暗号を日本に送る必要がある。
その場合でも間違えずに正確に暗号を打つ必要がある。D機関のスパイは常に暗号にミスを組み込んで送る。ミスのない暗号イコール敵に捕まって書かせられた暗号ということで、それを受け取ったD機関はすぐに助けを送り込んだりもする。
スパイものとしてはありきたりかもしれない。特に深田恭子演じる女スパイはステレオタイプの女スパイだ。それまで捕まって拷問を受け服がボロボロになっていたが、助けられた瞬間にぴっちりとした黒のレオタードのようなものを着て敵のアジトを脱出している。
複数のスパイ仲間がいたりと、まさにルパン的な展開となっている。D機関のボスが日本の陸軍であり、そこでのやりとりが普通のスパイものとは違った趣を出しているのは間違いない。
続編がないのは、本作の人気がなかったからだろうか。。。