2022.10.28 社会への怒りと不満を代弁?【ジョーカー】
ジョーカー [ ホアキン・フェニックス ]
評価:3
■ヒトコト感想
バットマンのジョーカーが、あのジョーカーになるまでを描いた作品。2回目の視聴だが、相変わらずすさまじいインパクトがある。全編とおして陰鬱な雰囲気が漂い、決してハッピーエンドではない雰囲気を醸し出している。緊張すると笑いがでてくるアーサーが、虐げられ夢も希望もなくなる過程が詳細に描かれている。ピエロとして小銭を稼ぎ、コメディアンになる夢を見るアーサー。そのためのネタを書くことを止めない。
あこがれのコメディアンに近づきたい。何もかもが嫌になり自暴自棄になる。最初は同僚からもらった拳銃がきっかけなのだろう。そこからエスカレートし、貧困にあえぐ若者たちのカリスマ的存在となる。ジョーカーがこうやって作られたのだ、というのはやけに納得できてしまう。
■ストーリー
言うまでもなく、DC作品内において最も有名なヴィランと言えば"バットマン"のライバル、"ジョーカー"。都会で大道芸人として暮らしていた孤独な男アーサー・フレックが、やがてその狂気的な悪の存在"ジョーカー"に変貌していく様を描く。
■感想
バットマンのライバルであるジョーカーはどのようにして作られたのか。緊張すると笑いがでてしまうアーサー。その病気のため様々なひどい目にあってきた。バスの車内で突然笑いだすので周りから気味悪がられたりする。
ガリガリの体はあざだらけ。高齢の母親と二人暮らし。まさに絵に書いたような貧困家庭だ。ボロボロのアパートで母親の面倒を見ながら暮らす。コメディアンになるという夢もかなえられそうにない。唯一の希望は母親がウェイン市長の元で働いており、実はアーサーがウェインの隠し子だということだった。
アーサーはウェイン市長の元へやってくるが、そこで衝撃の真実を知らされる。そして、母親が服役していた病院で母親のカルテを手に入れさらに衝撃的な真実を知る。実はアーサーが緊張すると笑うのは病気のせいではなく母親の虐待から逃れるためだった。
さらにはその影響でコメディアンになると考えていた。それまでの母親への信頼が一気に崩れる形となった。そこからのアーサーのこわれっぷりがすさまじい。そんな状態の中で、それなりにインパクトのある流れとなる。
アーサーは、最後には死を覚悟したのだろう。TV放送の最中に拳銃で自殺することを考える。当初の予定ではそうだったのが、放送中に気分が変わったのかもしれない。生放送中に強烈な行動にでるアーサー。そこから、アーサーはカリスマ性をもった存在となる。
ガリガリで気が弱く、ちょっとしたことでおどおどしていたアーサーが、悪へと変化していく。グロテスクな場面も多数登場してくるが、今の格差社会ではアーサーと同じような境遇の人が、同じように社会に怒りを覚えているのかもしれない。
2回目の視聴だが強烈なインパクトがあるのは間違いない。