非常宣言


 2024.2.3    未知のウィルスが充満した機内【非常宣言】


                     
非常宣言 [ ハン・ジェリム ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
飛行機内部でもし即効性のある細菌がまかれたとしたら。。。ハワイへ向けて飛び立った飛行機内部でバイオテロが発生した。ポイントはそれら非常事態において、飛行機内部から外部へ連絡を取る手段が機長の無線だけでなく、乗客の携帯電話でもとれるということだ。乗客たちはニュースでバイオテロが起きたことを知る。そして、右往左往ありながら、未知のウィルスなのでアメリカや日本の空港への着陸を拒否されたことを知る。

今までのこの手の物語であれば、機長のみにその情報が入り、乗客は何も知らないまま過ごすしかない。韓国の空港でさえも韓国国民から着陸を拒否されていることを知る乗客。となると、乗客が選ぶ手段としては…。SNSの時代を反映させた作品だ。

■ストーリー
娘とハワイへ向かう飛行機恐怖症のジェヒョク(イ・ビョンホン)は、空港で執拗にふたりにつきまとう謎の若い男(イム・シワン)が、同じ便に搭乗したことを知り不安がよぎる。KI501便はハワイに向け飛び立つが、離陸後間もなくして、1人の乗客男性が死亡。直後に、次々と乗客が原因不明で死亡し、機内は恐怖とパニックの渦に包まれていく。一方、地上では、妻とのハワイ旅行をキャンセルしたベテラン刑事のク・イノ(ソン・ガンホ)が警察署にいた。

飛行機へのバイオテロの犯行予告動画がアップされ、捜査を開始するが、その飛行機は妻が搭乗した便だったことを知る。また、テロの知らせを受けた国土交通大臣のスッキ(チョン・ドヨン)は、緊急着陸のために国内外に交渉を開始する。副操縦士のヒョンス(キム・ナムギル)は、乗客の命を守るため奮闘するが、飛行を続けるタイムリミットが迫り、「非常宣言」を発動。しかし、機体はついに操縦不能となり、地上へと急降下していく。見えないウイルスによる恐怖と、墜落の恐怖。高度28,000フィート上空の愛する人を救う方法はあるのか?!

■感想
人生に嫌気がさした男が、自分を犠牲にしてでも周りの人々を道連れにしようと考える。この考えでこられると、テロを完全に防ぐのは難しい。怪しい若い男が飛行機内部に謎のウィルスを持ち込みバイオテロを実行する。

のちに容疑者の家には細菌を研究し新たなウィルスを開発したような形跡が見られる。密閉された空間である飛行機の内部でウィルスをまかれるとどうなるのか。ひとりの乗客が死亡しパニックになり、次に客室乗務員や機長までもが犠牲となる。そして、容疑者自身もウィルスにより死亡するとなると…。

副操縦士もウィルスに侵された状況で、元パイロットであるジェヒョクが運転を代わるのだが…。ここから、機内の状況と地上の駆け引きが始まる。飛行機内部に充満しているのが未知のウィルスというのがポイントだ。何かよくわからないウィルスを国内に持ち込まれたくないので、アメリカや日本は自国の空港に着陸することを拒否する。

しょうがなく韓国に戻ろうとするのだが…。韓国国内にもバイオテロの情報が伝わっていた。乗客が撮影した動画がニュースサイトにアップされたためだった。

強烈なのは、政治家たちが責任逃れのために決断をしない部分だ。未知のウィルスが充満した飛行機を空港に降ろしてよいのか。国民からは拒否するようなデモまで発生している。効果があるのか不明なワクチンはあるのだが…。

こうなると、乗客たちはある決断をするしかない。ラストの飛行機の着陸までのアクロバティックな展開はすさまじい。燃料が残りわずかで、滑走路が短い空港への着陸は難しい。となると…。かなり特殊な状況であることは間違いない。

飛行機内部のバイオテロは強烈だ。



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