ハヤブサ消防団 


 2023.6.20      田舎の消防団活動 【ハヤブサ消防団】

                     
ハヤブサ消防団 [ 池井戸潤 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
東京から田舎のハヤブサ地区に移住したミステリ作家の三馬が主人公の本作。田舎での消防団の活動をメインに描きながら、連続放火事件の謎を解く物語だ。ミステリアスな展開となっている。山を持つ者が、太陽光発電の会社から山の売却を迫られる。売却を断った家が火事になっている。となると太陽光発電の会社が怪しいのだが…。

のどかな集落で突如として発生した事件。移住者が何かと怪しいのだが…。三馬がミステリー作家ということで事件を推理する。謎の宗教団体が絡み、過去にハヤブサ地区に住んでいた者にも影響がある。連続放火事件からスタートした物語は、強烈なインパクトのある流れとなっている。消防団の活動は非常に興味深い。

■ストーリー
東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは?

■感想
ハヤブサ地区へ移住した三馬。田舎独特の風習として地元の消防団に入るというのがある。都会ではありえない状況。地区に住む者たちで消防団として消化活動を実施する。訓練された消防隊ではなく素人ぞろいではあるが、消防活動を実施する。

そもそもが住人が少ないので、火事がそこまで発生しないということで消防団でまかなえているのだが…。ハヤブサ地区では頻繁に火事が発生している。それも放火と思われる不審火がある。山の売却を拒否した家が火事にあっているとなると、太陽光発電の会社が怪しいことになる。

三馬も山の売却を要求されたのだが…。連続放火事件には過去に問題のあった宗教団体の影がチラホラ見えてくる。宗教団体のフロント企業として太陽光発電の会社がある。目的は何かわからないのだが、殺人もいとわないほどの勢いがある。

地区の中で誰が宗教団体に所属しているのか。そして、誰がスパイとして活動しているのか。ハヤブサ消防団として活動している最中に多数の火事が発生する。三馬と同様に東京から移住してきた女性が宗教団体に所属していた過去があり、怪しさがより高まっている。

町長や多数の関係者が登場し、山の売却を拒否した者たちの家が次々と火事になっている。誰が宗教団体に関わっているのか。正体を隠しながら活動している。団体の根本にかかわることが物語として語られていく。強烈なインパクトがあるのは、地区の誰が宗教団体に関わっているのかが不明という状況だ。

ラストではちょっとしたどんでん返しがある。地区の消防団の活動とは別に宗教団体が起こした連続放火事件。強烈なインパクトがあるのは間違いない。

消防団活動は強烈だ。



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