グレートウォール


 2022.6.5      知能が高くタフで獰猛で素早い怪物【グレートウォール】

                     
グレートウォール [ マット・デイモン ]
評価:3

■ヒトコト感想
万里の長城が築かれた最大の要因は、伝説の怪物から都を守るためだった。まずこの怪物がすさまじい。緑の四足歩行で両肩に目があるような風貌だ。弱点は目だけ。体を固いウロコに守られ、巨大な口で人間を食べる。恐ろしいのはその怪物が大量にいることだ。奥深くに隠れる女王を倒すことしか怪物たちを止めるすべがない。偶然中国にたどりついたウィリアムたちが共闘するのだが…。

中国の兵士たちは命をかけて怪物たちを倒そうとする。犠牲者がでることは織り込み済み。まずは怪物の弱点を見つけようと必死になる。万里の長城の下に大量の怪物たちが押し寄せる場面は強烈だ。どんなに弓矢を刺しても向かってくる怪物を目の当たりにすると逃げたくなるのもよくわかる場面だ。

■ストーリー
金や名声のため、強力な武器を求めて世界中を旅する男、ウィリアム(マット・デイモン)。彼はたどり着いた万里の長城で、巨大な地響きとともに圧倒的な数で迫りくる謎の生物に遭遇する。それは、饕餮(とうてつ)と呼ばれる、人間の欲深さを罰するために60年に一度現れる伝説の怪物であり、万里の長城が築かれた最大の要因だった。饕餮が長城を越えて都に迫れば国の滅亡が避けられないばかりか、人類すべてが食いつくされてしまう――

饕餮の大襲来を食い止めようと、中国の戦士たちが万里の長城に集結していた。ウィリアムは、彼らの戦いを目の当たりにし、その気高い自己犠牲の精神に心動かされ、自分の目的のためでなく、世界を守るために戦う事を決意する。果たして、饕餮の進撃を止める方法とは?そして、ウィリアムたちの運命は――。

■感想
ウィリアムは中国へ火薬の技術を盗むためにやってきた。そこで偶然怪物と遭遇し、その流れで万里の長城を守る中国の軍隊と遭遇する。ウィリアムはもしかしたらウィリアムテル的な存在なのだろうか。弓の名手で、すばやく向かってくる怪物の目をピンポイントに矢で打ち抜いている。

ウィリアムの弓矢の腕は一級品だ。中国の軍隊と共に怪物と戦うことになるのだが、ひそかに火薬を盗んで逃げだそうとも考えている。このウィリアムたちの立場が微妙なことが本作のポイントなのだろう。

怪物たちを退けたとしても、一時的なもの。このままでは万里の長城を超えられるのも時間の問題かと思った時、怪物が磁石を弱点としていることに気づくのだが…。驚きなのは、この手の凶暴な怪物は単細胞であっさりと人間たちの罠にかかるはずだった。

それが知能が高く、長城に攻撃を加えるのは陽動作戦であった。裏では地中に穴を掘り長城を超えて都を目指していた。ここまで知能が高い怪物となると、もはや人間たちは逃げ惑うしかない。女王をピンポイントで狙っても強固な護衛たちがすべてをはじいてしまう。

ラストは都に侵入した怪物たちとの対決となる。ウィリアムが爆弾を付けた怪物を女王の元に送り込み、その爆弾に着火すれば女王もろとも爆破できるはずだったのだが…。敵の知能が高く、少しでも弓矢を打つと、そこに向かって怪物の大群が一斉に押し寄せてくる。

弱点である磁石をうまく使って爆弾に着火させようとするのだが…。圧倒的な怪物たちの描写がすさまじい。人間がなすすべなくやられていくのと、怪物たちの大群が押し寄せる場面が本作のピークだ。

タフで獰猛で素早い怪物だ。



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