グレイトフルデッド


 2023.11.7    孤独ウォッチャーのナミはサイコパスだ【グレイトフルデッド】

                     
グレイトフル デッド
評価:2.5

■ヒトコト感想
主人公のナミがとんでもなくサイコパスな作品。幼少期のトラウマから家族関係が希薄となったナミ。大人となり親の遺産を引き継いで何不自由のない生活を送るが、趣味が特殊だ。孤独な人を見つけては、その人をひたすらウォッチする。公園でひたすら鳩に餌を与え続ける孤独な青年。自分の道をひたすらまっすぐ進み人にぶつかるのもお構いなしのおじさん。

特に気になるのは孤独死を迎えるだけの孤独な老人塩見だ。典型的な老害で他者へ攻撃的な態度を見せたりもする。食事はカップラーメンを食べるだけ。息子が訪ねてきても追いかえす。そんな塩見に宗教の女性が寄り添ったことにより塩見が変わっていく。ただ、このことが気に入らないナミが凶行にでることになる。

■ストーリー
主人公・冴島ナミ(滝内公美)は、孤独な人間を観察することが趣味の“孤独ウォッチャー女”。今、まさに孤独死を迎えようとしている塩見三十郎(笹野高史)を見つけ、孤独死寸前の塩見を監視し続けることで優越感を感じることに取り憑かれていく。孤独だった塩見はある日、信仰によって“救い”を見いだし、生きる希望をもったのだが…。

■感想
序盤からナミの幼少期の異常な環境が描かれている。両親はナミに興味がなく放置している。ナミが学校で問題を起こしてもやってくるのは姉だけ。そんな環境でナミは異常になっていく。母親は家を出て行き、父親は宗教に傾倒する。

大人となったナミは親の遺産で裕福な生活をするのだが、異常な趣味をもっている。孤独な人を観察する趣味だ。かわいらしい見た目からは想像できない異常さを内に秘めているナミ。双眼鏡で人ごみを探し、孤独な人を見つけては家まであとをつけたりもする。

ナミは孤独な老人塩見に目をつける。見るからに老害で他者へ無遠慮な怒りをぶつけている。周りが気難しい塩見を避けている。息子すらもたまに家によるのだが、息子が持ってきた手荷物を投げ返すような無茶苦茶な老人だ。

その塩見の姿を楽しそうに望遠鏡で眺めるナミが最高だ。ニヤニヤしながらまるで観光名所を見るように弁当を持ち込みそうな勢いすらある。趣味に没頭していたナミだが、塩見の変化で大きく変わっていく。塩見が宗教の女性と仲良くなり気持ちを入れ替え、良い老人へと変化していったためだ。。。

塩見の変化はすさまじい。それまで家に寄り付くことのなかった息子家族を家に呼んだりもする。幸せそうな塩見を見るとナミは怒りがわいてくる。このあたりはナミの異常さだ。父親が宗教にハマったことがフラッシュバックし、塩見に怒りをぶつける。

ナミのエスカレート具合がすさまじい。塩見を監禁し、宗教の勧誘の女性を殺害しようとする。訪ねてきた塩見の息子を殺害する。まさにこの段階にくると、ただのサイコパスでしかない。

ラストのナミの結末は自業自得だ。



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