グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち


 2022.8.19     ウィルの天才描写がすさまじい【グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち】

                     
グッド・ウィル・ハンティング [ ロビン・ウィリアムズ ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
天才青年のウィルを若きマッドデイモンが演じる。落ちこぼれの労働者がなぜか天才で、数学の難問をペラペラと解いてしまう。この天才の描写がぶっ飛んでいる。それまでどんな教育を受けてきたのかはまったく描かれていない。ただ、豊富な知識と天才的なひらめきで数学博士やハーバードの学生たちを驚かせる。

適切な教育をうけなければ、いくら天才とはいえ、数学の難問をあっさりと解くことは難しいのだろう。そんなウィルがシンプルな労働者としての生活を捨て、自分の能力を活かす仕事につくのか。数学博士や心理学博士が必死にウィルのカウンセリングを行うが…。天才は相手の思いを理解し、あえてその逆をいくようにする。小憎らしいばかりに周りを翻弄する。労働者階級の仲間たちの関係も複雑な心境が含まれている。

■ストーリー
ウィル・ハンティングは労働階級の頑固な天才少年だが、人生では落ちこぼれている。多くのいざこざを起こす彼にとって、心理学の教授と心を通わせることだけが唯一の望みだった。

■感想
序盤ではウィルは労働者階級として喧嘩早いどうしようもない人物のように描かれている。にもかかわらず、大学の黒板に書かれた数学の難問をその場であっさりと解いたりもする。ウィル自身としても、数学の難問には興味があるのだろう。

自分が勉強ができて天才だということも認識している。ハーバードの学生たちに対して、ウィルの素晴らしい知識で圧倒している。周りの労働者階級の仲間たちもウィルは頭の構造が違うということを理解している。

ウィルの心境がわからない。自分の頭脳を無駄遣いしているというか、まったく有効活用していない。日々肉体労働をし、仲間たちと酒を飲む生活をしている。カウンセラーたちが書いた本を事前にサラリと読み、相手の弱い部分を突くようなことをして、相手をわざと怒らせる。

数学の博士がウィルの才能を知り有効活用しようとするのだが…。強烈なのは、ウィルがすでに博士の頭脳を超えているといことだ。博士すら解けない難問をあっさりと解く。その才能の違いを認識した博士の絶望的な表情が強烈だ。

周りの協力とウィル自身の幼少期のトラウマなどを解消することでウィルは変わっていく。印象的なのは労働者階級の仲間のひとりが、ウィルの才能を知り、いつか自分たちとは違う世界へ行くことを理解している、という言葉だ。

このまま50年同じことをしていたら怒り狂うとまで言っている。ウィルが天才であることを理解し、その才能を無駄にしないため、周りも応援している。普通ならば妬みや嫉みがあると思うのだが…。

ウィルの天才の描写がすさまじい。



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