ゴールデン・リバー


 2023.3.3     最強の殺し屋兄弟【ゴールデン・リバー】

                     
ゴールデン・リバー [ ホアキン・フェニックス ]
評価:3

■ヒトコト感想
ゴールドラッシュの時代。殺し屋兄弟の物語となっている。金を見つけ出す液体を発明した化学者を殺すよう命令を受けた兄弟。科学者の近くには連絡係がいたのだが…。まずこの殺し屋兄弟が強烈だ。似ても似つかないふたりではあるが、銃の腕は一流で旅先でのトラブルでもすべて勝利している。別のグループに襲われたとしても、あっさりと返り討ちにし、逆に別グループのボスを殺してしまう。

そして、ついに化学者の元にたどり着いたのだが…。殺し屋家業に嫌気がさしていた兄は化学者と行動を共にすることを考える。波乱万丈ありながら、最後は自業自得の感がある。それでも、結局のところ殺し屋兄弟だけが生き残り幸せになっているのが特殊だ。

■ストーリー
時はゴールドラッシュ、オレゴンのとある町に、最強と恐れられる殺し屋兄弟がいた。彼らは一帯を仕切る提督からの依頼で、仕事仲間の連絡係と共に、黄金を見分ける化学式を発見した化学者を追いかける。だが、黄金に魅せられた4人は、立場を超えて手を結ぶことにする。理想の世界を作りたい化学者、彼の夢に心酔する連絡係、普通の暮らしに憧れる兄、裏社会でのし上がりたい弟─それぞれの思惑を抱きながら、遂に黄金を手に入れる4人。その時、彼ら自身も知らなかった本当の欲望があふれ出す──。

■感想
最強の殺し屋の個性がすさまじい。敵対する者は容赦なく殺す。雇い主である提督との関係は良いのだが…。兄は殺し屋を引退したいと考えており、弟は提督の座を奪いたいと考えていた。そんな兄弟が化学者と出会い、謎の化学薬品で金を見つけ出し、夢を語る。

化学者は世界の民主化を願い、連絡役の男は化学者に感化されていく。いつの間にか化学者を殺すはずだった殺し屋兄弟も、化学者の仲間となっている。目の前で川の中から金を探し出す薬品の話をされて、気持ちに変化が訪れている。

殺し屋兄弟の傍若無人さが強烈に描かれている。化学者を追いかける最中の、途中の村で別のグループに出会うのだが…。そこで邪魔されたので、相手のグループのボスを殺してしまう。圧倒的な銃の腕があるので、化学者を追いかけている他グループの者たちをあっさりと返り討ちにしている。

化学者としては心強い仲間ができ、殺し屋兄弟は提督の下で働くことに嫌気がさしていた。闘い続けることは復讐の連鎖となる。それを理解している兄が足を洗おうとするのは正しいことなのだろう。

弟が欲をかいたために大事故が起こる。ここであっさりと化学者と連絡役が死ぬのが強烈だ。弟自身も薬品により片腕が腐り、切断することになる。さらには提督の追っ手が迫ってくる。この状況では絶体絶命で兄は最後に提督に復讐するために本拠地に乗り込んでしまう。

殺し屋として活動してきた兄弟が幸せな結末を迎えることはあり得ないかと思いきや…。提督が寿命で死亡したことで、ふたりを追いかける追っ手は潰えることになる。好き勝手やってきたふたりにしては都合の良い終わり方だ。

ラストの母親との家での食事風景は幸せに満ちている。



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