極秘指令ドッグ×ドッグ


 2023.8.2    暗殺者たちの登場シーンがすべてだ【極秘指令ドッグ×ドッグ】

                     
極秘指令ドッグ×ドッグ /ジョー・アンダーソン
評価:2.5

■ヒトコト感想
政府公認の極秘の暗殺部隊が存在した。極秘施設の中でコードネームで呼ばれる諜報員たちが躍動する。愚者や節制などタロットカードのコードネームで呼ばれる諜報員たち。アルファチームとオメガチームに分かれており、そこに新人のエリックが愚者として参加することになる。序盤のキャラクター紹介は秀逸だ。それぞれ特技があり、どこか癖のある個性満点の諜報員たち。

極秘施設が突然爆破されることになり、アルファチームとオメガチームの殺し合いが始まる。結局はこの殺し合いがメインだ。シリアスではなくどこかコメディチックな雰囲気で、陰惨な殺害現場もどこかユニークに感じてしまう。なんだかよく意味がわからないが、最後はエリックが何か別の任務を受けて行動していたという流れとなる。

■ストーリー
全米がオバマ新大統領就任式に沸きたった2009年1月20日。エリックは新しい職場に赴任する。そこは政府の極秘施設“工場(ファクトリー)"。政府非公認のエリート諜報員部隊(暗殺部隊)だ。諜報員全員がタロットカードのコードネームで呼ばれて、エリックは早くも“愚者"と名づけられ、オメガチームに配属される。ファクトリーは、極秘データの処分に失敗し、危機をむかえていた。失敗=死がルールのこの世界。アルファチームにはオメガチーム抹殺の指令が密かに下されていた。両チームの壮絶な殺し合いが始まり、ファクトリーは地獄絵図と化していき、事態は予測できない結末へと転がり始める…。

■感想
政府が組織した極秘の暗殺チーム。厳しい入出管理がされている地下深くにある施設。そこには諜報員たちが集まっている。タロットカードのコードネームで呼ばれた者たちは、強烈な個性がある。

それぞれの役割があり、携帯電話ひとつで爆発物を作ったり、発展途上国が経済的に発展するのを妨害したり、各国の有力者と寝ることで情報を得る者など。まずこのキャラ紹介が本作のメインとなっている。その後は、それぞれ個性豊かな諜報員たちがお互い殺し合うという流れだ。

印象的なのは、ひとりだけ後から合流しボスである悪魔を殺した隠者だ。小太りでコミュ障な雰囲気はあるが、ひとりで施設を破壊しようとする。オメガチームのリーダーである戦車がひとり気を吐いてアルファチームの者たちを排除している。

オメガチームはアルファチームと一対一の戦いで分が悪く、愚者と戦車のみが生き残っている感じだ。要は異常な暗殺者たちがお互いに殺し合う場面が続いていく。排気ダクトを移動するアルファチームの者を、スプレー缶とライターにより爆発させ焼死させたりもしている。

お互い殺し合うことで次々と暗殺者は減っていく。最後は愚者と残りわずかな人物のみが残ることになる。暗殺者たちの戦いを傍観者的に見ていた監視室の者たち。単純に施設内のセキュリティをチェックする警備員的な者たちかと思いきや…。

実際には、暗殺者同士の対決をつぶさに観察し、同情したりもする。ある意味、この観察者たちがいることがちょっとコメディチックな雰囲気となっている。ラストでは愚者が何かしら目的をもって暗殺者として入り込んだというのがわかる。

暗殺者たちが登場する場面がすべてだ。



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