劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班


 2022.8.21     無線機を通して過去の人物と連絡をとりあう【劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班】

                     
劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班 [ 坂口健太郎 ]
評価:3

■ヒトコト感想
連続ドラマは見ていない。ただ、序盤に今までのあらすじが説明されているので理解できた。無線機を通して過去と通じることができる。大山巡査と三枝の関係性や未解決事件捜査班長の桜井と大山が子弟関係にあったなど興味深い流れとなっている。サリン事件をパロディとしたヘロン事件が過去に発生し、残党は逮捕されたかと思いきや…。現代でもヘロン事件が発生した。

過去の大山と連絡をとることで、過去にさかのぼり事件解決へと導くことができる。ショッキングな映像が続いていく。そして、ラストの展開としては過去を変えたことで、現在もすぐに変わるというのが印象的だ。事前に大山に事件を伝えておけば、事件を未然に防ぐことができる。なんでもありな展開だ。

■ストーリー
2021年東京。高速道路でハイヤーが暴走し内閣情報調査室次長が交通事故死する。三枝をはじめ、桜井率いる長期未解決事件捜査班は、この事故が仕組まれた事件である可能性を疑う。一方、2009年の東京でも政府高官が相次いで交通事故死していた。警察が事故として発表する中、大山だけは事件性を疑っていた。時刻は23時23分。繋がるはずのない無線が再び鳴り出す!脅威のバイオテロから日本を救うため、陰謀渦巻く深い闇に立ち向かう“現在"と“過去"。そして、三枝と桜井は、“現在"で遂に大山と出会うことができるのか―!

■感想
過去と言ってもそこまで過去ではない10年程度というのがポイントだ。過去の大山と三枝の交流があったのだが、実は大山は現代にはいない。それは大山が何者かに殺されたからだ。基本は大山を現代にまで生かすためには、何をすれば良いかが語られている。

過去のヘロン事件をそもそも大山に連絡すれば防げたのでは?と思うのは無粋なのだおる。ヘロン事件から派生した様々な事件を三枝が事前に大山に伝えることで防ぐ。その瞬間、新聞記事が議員の暗殺から成果発表に変わったりもする。

ヘロン事件を隠蔽するために、政治家や公安、刑事部長までもが絡んでいる。事件に気づいた三枝が調査を進めるのだが…。警察組織の権力闘争もそうだが、家族を失った者の恨みが警察の腐敗を糾弾することへつながっている。

過去と現代が複雑に絡み合い、無線機を通して過去と通話できることが三枝の強みとなる。現代で調査をし、大山へ指示をだすことで過去の決定的な真実が明らかとなる。このパターンではどんな事件でも瞬時に解決できてしまうだろう。

ラストはアクションありのハラハラドキドキの展開だ。連続ドラマ版ではラストで現代まで生きるはずだった大山が何者かに射殺されてしまう。それすらも桜井が防ぎ、大山は現代まで生きているはずなのだが…。三枝が大山に会いにいくと、そこには大山の姿はなかった。

過去を変えたとしてもすべてが自分たちの思い通りに変わるわけではないのだろう。大山が死ぬタイミングがずれただけで、結局は大山と三枝が現代で出会うことはできない、ということだ。

過去と繋がる展開は、いろいろな作品で使われているが、事件の捜査となるとその万能感がすごい。



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