劇場版 呪術廻戦0


 2023.4.13     乙骨憂太と夏油傑の対決【劇場版 呪術廻戦0】

                     
劇場版 呪術廻戦 0 Blu-ray 豪華版 [ 緒方恵美 ]
評価:3

■ヒトコト感想
原作マンガは読んでいる。呪術廻戦の主役である虎杖が登場する前の高専を描いた作品。乙骨が主役であるのだが、声優含めて「エヴァ」の碇シンジにしか見えない。原作マンガの現時点では、五条悟の次に強い人物という描かれ方をしている。そんな乙骨がどのようにしてその能力を得たのかが語られている。

作者が呪術廻戦を連載する前の読み切り作品ではあるが、完成度は高い。特に夏油と五条の関係性はすばらしい。原作マンガを読んでいると、夏油がただの悪役ではないとわかる。乙骨を目立たせるめのエピソードではあるが、五条と夏油の青春を思わせる流れが良い。狗巻やパンダなど虎杖の先輩である者たちが、1年として高専で過ごしているのも良い。

■ストーリー
幼少のころ、幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太。「約束だよ 里香と憂太は大人になったら結婚するの」怨霊と化した里香の呪いに苦しみ、自身の死を望む乙骨だったが、最強の呪術師・五条 悟によって、呪術高専に迎え入れられた。そして、同級生の禪院真希・狗巻棘・パンダと出会い、乙骨はある決意をする。「生きてていいって自信が欲しいんだ」「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」

一方、乙骨たちの前にかつて一般人を大量虐殺し高専を追放された最悪の呪詛師・夏油 傑が現れる。「来たる12月24日 我々は百鬼夜行を行う」呪術師だけの楽園を標榜する夏油は、非術師を殲滅させんと、ついに新宿・京都に千の呪いを放ち――果たして、乙骨は夏油を止められるのか、そして、里香の解呪の行方は‥‥。

■感想
原作マンガは面白い。それを映像化したのだが、文句なくすばらしいものになっている。ただ気になるのは、アニメから呪術廻戦に入った人にとっては、主役の虎杖やその仲間たちが登場しないので、ちょっと別物のように感じるかもしれない。

五条悟や虎杖の上級生であるパンダたちは登場してくるのだが…。乙骨の紹介とそのバックグラウンドのすさまじさが描かれている。幼少期に幼馴染の里香と出会い、結婚の約束をする。その後、里香が交通事故にあうと乙骨は里香に呪われてしまう。これだけだと単純なホラーだ。

回想での里香は可愛らしい女の子だが、乙骨を呪っている状態では化け物だ。里香の能力がすさまじいため、夏油に狙われることになる。里香が暴走した場合、五条悟でも止めるのが難しいほど強力な呪物となっている。ウジウジとした乙骨。

里香に呪われたせいで意図せずして周りに迷惑をかけたりもする。高専での仕事では里香の力を使い呪物を倒したりもするのだが…。素人であるはずの乙骨が、なぜかすさまじい剣技をマスターしている。高専でのトレーニングだけでなく里香の呪力によるところが大きいのだろう。

ラストは夏油と乙骨の対決となる。激しいアクションはすばらしい。乙骨の能力の高さにより夏油は負けることになる。その後、五条悟が夏油にとどめを刺すのだが…。この場面が最高だ。実は夏油と悟は高専で同級生であり、お互い切磋琢磨した仲だった。

そのことを原作マンガですでに読んでいたので、感動をおぼえてしまった。夏油は本作ではラスボス的な扱いとなっているが、キャラ的にはここで退場するのはおしいキャラクターだ。原作マンガでは違う形で登場しているのだが、オリジナルな夏油の再登場を願うばかりだ。

原作の面白さそのまま、強烈なインパクトのある作品だ。



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