劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者


 2022.7.20     ヒトラーの世界とつながる錬金術師たち【劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者】

                     
劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 [ 豊口めぐみ ]
評価:3

■ヒトコト感想
正直言うと「鋼の錬金術師」を見ていないと辛いだろう。自分は軽い知識しかなくマンガもアニメも見ていない。そのため、設定がよくわからないまま見てしまった。見ているうちになんとなくわかってきたのだが…。アニメのその後が描かれた作品のようだ。エドとアルが扉を挟んで別の世界に飛ばされてしまう。エドのいる世界はヒトラーが世界を戦争へと導こうとする流れの中で、アルの世界で兵器を手に入れようとする。

恐らくだが、アニメを見ている人にとっては過去のキャラたちが総登場しているということで楽しめるのだろう。自分の中ではアルは鎧の状態のはずだが、別の世界ではアルは人間の姿に戻っている。アニメファンにとっては押しのキャラたちのその後が見られるということでよいのだろう。

■ストーリー
TVアニメ版の「鋼の錬金術師」は、荒川弘の原作から大きく方向を変え、主人公の兄弟エドとアルが“扉のこちら側”と“向こう側(=我々にとっての現実世界)”に離ればなれになるという衝撃的なシーンで幕を閉じた。それから2年後が描かれるのがこの劇場版だ。ナチスが勢力を伸ばしつつある1923年のドイツというあまりにシビアかつシリアスな舞台設定が、“錬金術”という題材を扱ったこの破天荒な物語にいい作用を及ぼしたかどうかは、評価が分かれるところだろう。

とはいえ、エドやアルはもちろん、ウィンリィやロイ・マスタング、その元部下たちといった魅力的な登場人物の“その後”を見られるのは単純に楽しいし、ヒューズやキング・ブラッドレイら、TVシリーズ中で絶命した者たちが“別キャラ”として登場するのも、パラレルワールドものならではの面白さ。映像についても、申し分のない大迫力シーンが目白押しで、TVシリーズのファンなら見て損はないと言えるだろう。

■感想
どうやらアニメ独自のラストから続く物語らしい。アニメで死亡したキャラがパラレルワールドとして登場してくるのは熱い。そう考えると、自分はアニメをまったく見ていなかったので、その熱さを感じることはできない。

ストーリー的にも、錬金術を試そうとして体の一部を失ったエドと、体がそのものがなくなり鎧の状態となったアルの物語という印象しかない。パラレルワールドへと飛ばされたエドが、自分がいる世界からアルたちのいる元の世界に戻るために奮闘する物語だ。

時代設定的には、ヒトラーが登場する直前なのだろう。エドがいる世界の支配者たちは、アルのいる世界から兵器を持ち込んで世界を征服しようと考えている。エドが現代の世界になじんでいるのは、そいういうものなのだろうか。

魔法を駆使して戦うエド。元の世界ではアルがエドを戻そうと四苦八苦している。扉を開く能力があるのはエドだけ。この複数の世界での違いや、そこに登場するキャラクターたちにどれだけ思い入れがあるのか。アニメを見ていないと辛いのは間違いない。

アニメを見ていれば楽しめたであろう箇所がいくつか見受けられた。特にアルの世界で魔物と戦ったキャラなどは、アニメで印象的なキャラだったのだろう。エドがいる世界がドイツというのも、その後の世界のことを考えると納得の時代設定なのかもしれない。

アルとエドが再会する場面や、中身が空洞の鎧たちが大量に登場する中で、一体だけアルの魂が入り込んでいるのは、アニメを連想させる流れなのだろう。アニメファンを楽しませるための映画作品であることは間違いない。

TVアニメを見ていないと辛い。



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