復讐のトリック [ コ・ス ]
評価:3
■ヒトコト感想
冒頭、裁判の場面からスタートする。誰が何の容疑に対する裁判なのか不明なまま、物語はすすんでいく。そこから過去の物語となる。裁判では男の右手の人差し指だけが残されており、他は焼き尽くされたということで殺人の容疑がかかった裁判のようだ。なぜその裁判が行われるようになったかが過去に戻り描かれているのだが…。
終盤まで裁判の対象者が不明だ。マジシャンのスンマンと資産家のドジン。スンマンの恋人がドジンに殺害された。偽札がらみの事件となり、ドジンの裏の顔が明らかとなる。ただ、ここからどのようにして裁判へつながるのかはラストまではっきりとはしない。スンマンがプロのマジシャンというのが最後に利いてくるのだろう。
■ストーリー
1947年、豪雨に見舞われたソウルで凄惨な殺人事件が発生した。死体を目撃したという匿名の通報により警察が駆けつけ、お抱え運転手のチェ・スンマンを殺害した容疑で、資産家ナム・ドジンが逮捕される。現場に残されていたのは、成人男性の右人差し指だけ。遺体は火炉のなかで焼き尽くされていた。無罪を主張するドジンが雇ったベテラン弁護士と、遺留品や証言で有罪に導こうとするエリート検事は、一歩も譲らぬ法廷攻防戦を繰り広げる。やがて、容疑者ドジンの裏の顔や被害者スンマンの素性が明らかになるにつれ、驚愕の真実があぶり出されていく...。
■感想
裁判の場面では、指がひとつ残されたことで容疑者とされた男に対して、やり手の弁護人が激しい批判をしている。確かに死体がない状態で、指だけで殺人容疑をかけるというのはかなり無理がある。そんな裁判が開かれることになった経緯が過去に戻り語られている。
マジシャンのスンマンと謎の女性が出会い恋に落ちる。仲睦まじいカップルは、やがて結婚して幸せになるのだが…。女が偽札の銅板をもっており、そこから女の過去が明らかとなる。偽札がらみの物語となり、黒幕がその銅板を狙っているというのがわかる。
謎の資産家ドジンによりスンマンの妻は殺害されてしまう。ここからが本作のメインだ。スンマンは妻を殺した人物を探すためにマジシャンの職業を捨て歯を抜いてみすぼらしい姿になる。そして、運転手として資産家たちを車に乗せながら犯人を探し出そうとする。
みすぼらしく見せるために歯を抜くというのはわかるが、変身したはずのスンマンの見た目あまり変わっていなかった。運転手としてドイツ語を流暢に話せる人物が犯人ということになり、ドジンに行き当たるのだが…。
平行して裁判は続いていく。ここでは検察と弁護士の熱いやり取りが続く。この時点で被告がドジンであることがわかる。ただ、殺されたのはスンマンということになっている。過去の回想ではスンマンがドジンを殺そうとしているのだが…。
ラストにそのからくりが明らかとなる。ラストのトリックは特別なものではない。検察がかなりドジンを有罪にするために力を入れているのだが、なぜそこまでするのかは描かれていない。マジシャンとしての能力を使うわけでもなかった。
序盤のマジシャンの部分は重要なのだろうか?