2023.5.18 巨大な蜘蛛の存在は謎めいている【複製された男】
複製された男 [ ジェイク・ギレンホール ]
評価:3
■ヒトコト感想
謎が謎のままで終わる作品。大学講師のアダムが同僚から勧められた1本のビデオの中で、自分とうり二つな人物が出演するのを見つけてしまう。似ているというレベルではない。アンソニーという名の俳優であり、アダムとの接点はまったくない。それぞれのパートナーが気づかないほどそっくりな二人。体についた傷跡も同じレベルなので、そっくりというよりクローンのように思えてくる。
どちらがオリジナルなのか。そんな疑問よりも、アンソニーは卑近なことへ興味を示す。アダムの恋人に気づかれないままアダムの恋人と寝ようとする。なぜそのようなクローンが存在したのかの解明はない。ちょこちょこ登場してくる謎の巨大な蜘蛛のような怪物にはどのような意味があったのか。。
■ストーリー
大学の歴史講師アダム(ジェイク・ギレンホール)は、ある日同僚から1本のビデオを薦められる。応じるままに鑑賞した彼は、その映画の中に自分と瓜二つの端役の俳優を発見する。あまりのことに驚きを通り越し恐怖を感じたアダムは翌日から取り憑かれたようにその俳優を探し始める。アンソニーという名前を突き止め、気づかれないよう遠くから彼を監視するうちに、どうしても会って話がしたくなり遂にアンソニーに接触する。
その週末二人は対面し、顔、声、体格に加え生年月日も同じ、更には後天的に出来た傷までもが同じ位置にあることを知る。どちらが“オリジナル"でどちらが“ダブル"なのか―、なぜ自分と全く同じ人間が存在するのか―。後戻りできない極限状況に陥った彼らは、それぞれの恋人と妻を巻き込みながら、想像を絶する運命をたどっていくのだった……。
■感想
アダムとアンソニーを一人二役しているジェイクギレンホール。すばらしい演技でちょっと優しい感じのアダムと、気が強く押しの強いアンソニーでは顔つきが異なるような気がした。序盤はアダムが謎の自分のそっくりさんを見つけたため、それを調べる流れがある。
アンソニーにたどり着き、アンソニーのマンションに行くと、コンシェルジュからアンソニーと間違えられたもする。普通に考えるのなら他人の空似だろうということだが、もはやそのレベルではない。声まで同じというのは少し異常だ。
アンソニーと出会い、自分たちが何かおかしいことに気づくふたり。ここでふたりはどのような行動にでるのか。何もなく、ふたりは出会わなかったこととするのか。。。そっくりな双子が考えるいたずらと同様のことをアンソニーは実行しようとする。
美しいアダムの恋人と寝たいと考える。どうなのだろうか。作中では姿形や声まで同じでも、ふたりの性格の違いが雰囲気にあらわれているようの思えた。アンソニーの妻はアンソニーがアダムと入れ替わっていると気づいていながら寝ようとしたように思えた。
すさまじいのはジェイクギレンホールの演技だ。一人二役をしているが、今どちらの役をやっているのか、入れ替わっていたとしても観衆に理解させる力がある。気性の荒いアンソニーと、アンソニーに押し切られる形のアダム。
物語の流れから外れるように、街の外に巨大な蜘蛛のような怪物がうごめいている。それは本編にはいっさい関わってこない。これがどのような意味があるのか。ラストは、なぜこのような状況になったのかは考えずに現在の状況を受け入れるようだが…。巨大な蜘蛛が意味ありげに登場してくる。
謎の蜘蛛の存在が奇妙だ。
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