ファング一家の奇想天外な秘密


 2023.10.18    早すぎるドッキリ動画の撮影家族【ファング一家の奇想天外な秘密】

                     
ファング一家の奇想天外な秘密 [ クリストファー・ウォーケン ]
評価:3

■ヒトコト感想
ちょっと変わった一家の物語だ。ファング一家は俗にいうドッキリが大好きで芸術だと考えている。まだyutubeもない時代に自分たちで動画を撮りドッキリを芸術として発表する。両親がぶっ飛んでいるので、その子供たちであるアニーとバクスターも自然と両親に感化されている。アニーがギターを演奏し、ただの観衆役の父親が大声で下手だとののしる。

それを聞いた別の観衆役の母親が父親を罵倒する。二人の争いを周りの何も知らない観衆は唖然とした表情で見る。今であればyutubeでバズるのを期待しての撮影かもしれないが…。純粋に芸術としてドッキリを仕掛け続けるのがすさまじい。そんな両親が最後に仕掛けた壮大なドッキリは、大人になった子供たちを混乱させることになる。

■ストーリー
誰だってちょっと変わった秘密がある落ち目の女優アニーとスランプ中の作家バクスターは、ファング家の長女と長男である姉と弟。両親のケイレブとケミーユは、街で奇行を演じては市民を驚かせる前衛芸術家で、そんな両親を手伝っていたアニーとバクスターは両親を理解できず、今は自立していた。だがバクスターの入院をきっかけに、ケイレブとケミーユは子どもたちと久しぶりに再会するが、ケイレブとケミーユが殺人犯に誘拐されたらしいと保安官から連絡がある。

昔から人々を騙し続けてきた両親を知っている2人は、これもパフォーマンスでは、と思いながら捜索を続ける。アーティストとしての両親の作品なのか、はたまた本当に事件に巻き込まれたのか?

■感想
人々を騙し続けた両親。幼少期から両親の影響を受け、ひたすらドッキリに参加することを強制されてきたアニーとバクスター。衝撃的なのは子供たちに対しても秘密にしたままドッキリを敢行することだ。

ロミオとジュリエットの演劇でアニーはジュリエット役だが、ロミオ役の男が事故で参加できなくなった。とっさに呼び出された弟のバクスターがロミオ役をやることに。姉弟なのでキスシーンはフリだけになるはずが…。実際にキスをして大騒ぎになる。実はこれもすべて両親の仕掛けだった。ロミオ役の男に金を渡して役をおろさせる予定だったのだ。

大人になり女優となったアニー。バクスターは作家となるのだが…。両親が殺人犯に誘拐されたと保安官から連絡がくる。車だけが残されており、そこには父親の血がべったりと付いていた。アニーは両親のことを保安官に説明するが、保安官は本当に誘拐され命の危険があると考える。

アニーたちは両親に騙されていると考えているのだが…。アニーとバクスターが両親のドッキリを解明するために動き出すのだが、どこかで本当に誘拐されたのでは?と思いながらの行動となる。

オチが壮絶だ。両親は結局最後の最後までドッキリが芸術だと考えていた。子どもたちを巻き込んだ壮大なドッキリ。両親の家を調べ、もう両親が死んだと考え遺産を処分していたところで、両親の居場所のヒントを見つける。まさか、というような展開だ。

もしかしたら、yutubeが全盛の時代では、同じように子供の意向を無視してひたすら両親がドッキリをしかけ、yutubeを撮影し続けるなんてのはあるのかもしれない。プライベートを切り売りして金を稼ぐゲスな両親だ。

早すぎるドッキリ動画に傾倒した両親だ。



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