アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場


 2023.12.21    戦争がゲームの世界になりつつある【アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場】

                     
アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 スペシャル・プライス [ ヘレン・ミレン ]
評価:3

■ヒトコト感想
すでに戦争の形は変わっている。技術力のある国では、遠隔地から無人のドローンでの攻撃が可能となる。一方では銃を持った兵士が警護し、家の中では爆弾を取り付けたベストを着て自爆テロを計画する。人の命の価値が明らかに異なっている。テロ容疑者を見つけ出し、自爆テロの準備をしている現場を見つけ出す。はるか上空からドローンでミサイル攻撃をするのか?周りには罪のない一般市民がいる。

この決断をするのはアメリカで映像を見ているお偉いさんたちだ。ただ、自分に責任が及ぶことを回避するため、次々と決断を上にゆだねるため、なかなか攻撃の指令がでない。一番辛いのは敵のど真ん中で調査のため虫型のドローンを操作する地元のスパイだ。

■ストーリー
罪なき少女を犠牲にしてまでも、テロリストを攻撃するべきか?正義とモラルを問う強烈なラスト!ナイロビ上空6000mを飛ぶ【空からの目】を使い、イギリス軍の諜報機関のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、国防相のベンソン中将(アラン・リックマン)と協力して、英米合同軍事作戦を遠く離れたロンドンから指揮している。

凶悪なテロリストたちが大規模な自爆テロを実行しようとしていることをつきとめ、アメリカ・ネバダ州の米軍基地にいるドローン・パイロットのスティーブ(アーロン・ポール)に攻撃の指令を出すが、殺傷圏内に幼い少女がいることがわかる。キャサリンは、少女を犠牲にしてでもテロリスト殺害を優先しようとするが――。

■感想
ドローンの技術は急激に進化している。ナイロビの上空にはドローンの爆撃機が待機している。テロリストの容疑者がある建物に入り込む。そこには自爆テロの用意がされていた。ドローンパイロットや指令をだす大佐目線の物語となっている。

やっと見つけ出した容疑者を殺害できる機会を逃したくない。ただ、このままミサイルを撃ち込むと周囲の一般人に被害がおよぶことになる。一刻を争う事態に、小さな女の子が建物の前でパンを売り始める。となると、幹部たちの目の色が変わることになる。

アメリカ本土の政治家たちの優柔不断具合に腹が立ってくる。テロリストを逃さないために一般人の被害前提でミサイルを発射するのか。その決断は本土にいる者たちだけではできずに電話で国務長官に確認したりもする。

そこから、小さな女の子が被害に加わるとわかると、またさらに決断が難しくなる。テロリスト側にプロパガンダとして使われる可能性がある。自爆テロを放置すればもっと被害は増える。この決断をするはずの外務大臣は決断を拒否する。安全な場所にいる者たちの日和り具合がすさまじい。

最終的には決断されミサイルが撃ち込まれることになる。テロリストを殺害したが、一般人の被害も甚大となる。安全な場所から決断し戦争をしている者たち。現場に近い位置にいる者たちほど、決断に対する判断は早いが、上の決断が必要なのがもどかしい。

ぱっと見は、ゲーム感覚に近いかもしれない。モニターに映し出されたターゲットに、手元のコントローラーを操作することでミサイルを撃ち込む。その結果も遠隔地からドローンの映像で判断する。もはや戦争はゲームの世界のようになっている。

戦争のやり方が大きく変わりつつある。



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