エンドロールのつづき


 2024.10.2    映画に熱を上げるインドの少年【エンドロールのつづき】


                     
エンドロールのつづき [ バヴィン・ラバリ ]
評価:3

■ヒトコト感想
インド映画だ。9歳のサマイが父親に連れられて見た映画に感銘を受け、その後、映画に執着していく。インドの田舎でチャイを売る店を手伝うサマイ。インドでは田舎にいたら一生成り上ることはできない。サマイがひたすら映画へのあこがれを持ち続け、映画館からフィルムを盗み出したり、オリジナルで映画を映写したりする。

映写技師と仲良くなり自分の弁当を渡す代わりに映画をこっそり見せてもらったり。まさにインド版のニューシネマパラダイスのような感じだ。閉店した映画館から映写機やフィルムが運び出され、それがスプーンになりフィルムがプラスチックのアクセサリになるくだりは面白い。インドは映画熱がすさまじいが、それが伝わってきた。

■ストーリー
9歳のサマイはインドの田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものだと思っているが、信仰するカーリー女神の映画は特別と、家族で街に映画を観に行くことに。人で溢れ返った映画館、席に着くと、目に飛び込んだのは後方からスクリーンへと伸びる一筋の光...そこにはサマイが初めて見る世界が広がっていた。

映画にすっかり魅了されたサマイは、再び映画館に忍び込むが、チケット代が払えずつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルがある提案をする。料理上手なサマイの母が作る弁当と引換えに、映写室から映画をみせてくれるというのだ。サマイは映写窓から観る色とりどりの映画の数々に圧倒され、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるが―。

■感想
9歳の少年サマイが映画に対する熱量を示す物語だ。最初は父親がめったにない映画鑑賞にサマイを連れていく。そこで初めて見た映画に衝撃を受けるサマイ。それまで映画を見たことがない少年にとっては映画は強烈なインパクトがあるのだろう。

サマイはそこから映画に取りつかれることになる。映画館に忍び込んでこっそり映画を見たり、映画技師に取り入って弁当を渡す代わりに映画を見せてもらったり。まさに少年が映画に熱を上げる「ニューシネマパラダイス」のような展開かもしれない。

インドの田舎の問題も描かれている。サマイの父親はチャイを売って生活している。決して生活は楽ではない。サマイはチャイ売りを手伝うことに不満を感じており、都会に出たいと感じている。映画に熱を上げた少年が都会にあこがれるのは必然だろう。

サマイの行動はエスカレートし仲間と映画館から古いフィルムを盗み出し、自分たちで映画を上映したりもする。サマイの映画への熱量はすさまじい。警察に見つかり逮捕されたとしても、その熱量は変わらない。

サマイが都会に出ることを拒否し続けた父親がついに折れる。驚きなのは少年サマイを一人っきりで電車に乗せて都会に行かせる場面だ。都会に行ったサマイはホームレス状態でなんとか仕事を見つけて自立するしかないのだろう。

9歳の少年にはあまりにも過酷な状況に思えたのだが…。まるで当たり前のように両親はサマイを送り出している。この後、サマイがどうなったのかはわからない。都会にいけばなんとかなるという思いはあるにせよ、9歳の少年がひとりで都会で生活するのはありえない展開だ。

これこそインドの強烈な日常だ。



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