エマ 人工警察官


 2023.7.12    アンドロイドの警官が大活躍【エマ 人工警察官】

                     
EMMA/エマ 人工警察官 [ パトリック・リドレモン ]
評価:3

■ヒトコト感想
容姿端麗な研修生エマがフランス警察に配属されてきた。上司のフレッドはエマの人間性に戸惑いを見せる。新人警官だが実は人工知能を搭載されたアンドロイドだった。設定的には新しくないが妙に面白かった。人工知能がゆえにくそ真面目で一般的な常識がない。

上司のフレッドが最初はそのことを知らず戸惑い、エマがアンドロイドだと知ってからも様々な戸惑いがあるのが面白い。走ればオリンピック選手なみ、知識は完璧、手で触るだけで対象者の血液の成分がチェックできてしまう。2つの事件が描かれているのだが、エマが次第に変化していく様が面白い。同僚たちのキャラも良く、意外な良作だ。もしかしたらこの構成でのシリーズ化がされるかもしれない。

■ストーリー
フランス警察に勤務する警部のフレッド。彼が率いる捜査チームに、新人の研修生エマが配属された。エマは容姿端麗なだけでなく、圧倒的な知識量と的確な分析力、並外れた身体能力の高さで、周囲の人間を驚かせていた。しかし、不意に見せる感情の気薄さからエマの人間性に疑念を抱き始めたフレッドは、独自で調査を開始。すると、エマは警察学校時代の3カ月前にすでに死亡しており、その死は公に伏せられていた事実を知る。

その理由は1つ。エマは、内務省の極秘プロジェクトでアンドロイドとして生まれ変わり、捜査員の命を守るために捜査部署へ配備された人工警察官だったのだ。警察の未来を担うエマの登場にフレッドは戸惑いながらも、彼女と共に郊外の林中で発見された身元不明の女性殺害事件の解決に奔走するのだが…。

■感想
アンドロイドのエマが新人警官として活躍する。運転中に電話をするフレッドに法律違反だと注意する。次にかかってきた電話にはフレッドの声マネをして運転中だからかけなおせと言う。医者が患者の情報を刑事に話さないのは法律的に正しいからと事情聴取を辞めてしまう。

捜査する上では不都合なことだらけなので、激怒するフレッド。そこからエマの不自然さに気づき、エマの正体を探る。基本的にエマの正体が怪しげでなくフレッドにだけは研究として配属されたと伝えられる。フレッドがエマの正体を知ってからも面白展開は続く。

フレッドの捜査チームの同僚たちのキャラクターも良い。エマを受け入れているが、事務所内で惨殺されたネコの解剖をするなど非常識な部分を怪訝な表情で見つめる。街中でひったくりに出会うと同僚の男が走って追いかけるが、はるかに速い速度で走るエマがあっさりとひったくり犯を捕まえてしまう。

フレッドの妻にはフレッドとの関係を怪しまれるが…。あまりにエマの奇妙さにそんな感情がぶっ飛んでしまっている。無表情で的確な分析をする非常識な警官。新しいキャラクターだ。

物語りはシリアス調でありながら、随所にユーモアがちりばめられている。エマが少しは人間的になってはいるが、それでも異質なことには変わりない。周りがエマを受け入れ、事件解決にもエマの特殊な能力や常識はずれの行動が寄与している。このまま終わってしまうのは惜しいキャラクターだ。

シリーズ化しても面白いような気がした。エマの過去や、エマ自身が自分の子どものころの記憶がないことに戸惑いを見せている伏線があるので、どこかで回収されるのだろうか。

シリーズ化されるのだろうか。



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