ドリーム


 2022.8.1     NASAでの黒人差別と女性差別の歴史【ドリーム】

                     
ドリーム [ タラジ・P.ヘンソン ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
宇宙へ挑戦するNASAで、3人の黒人女性の活躍があったらしい。実話をもとにした本作。女性の地位、黒人の差別、それらの待遇を変えるために奮闘した女性を描いている。定番的流れではあるが、NASAでは女性の地位自体が低い。女性の技術者はいない。そんな中で黒人であるキャサリンが配属されるのだが…。ロシアと宇宙開発競争を繰り広げているNASAは、ロシアに先に行かれているため焦っている。

そこで実力のあるキャサリンが入ってきたことで女性の地位、そして黒人の差別もなくなっていく。序盤ではこれでもかと差別されるキャサリンたちが描かれている。NASAの技術部の本部長は実力主義で効率を妨げる差別は撤廃しようとする。予想できる流れではあるが感動する。

■ストーリー
1961年、アメリカはソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。NASAのラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに欠かせない“計算”を行う優秀な黒人女性たちのグループがあった。そのひとり、天才的な数学者キャサリンは宇宙特別研究本部のメンバーに配属されるが、そこは白人男性ばかりの職場で劣悪な環境だった。仲の良い同僚で、管理職への昇進を願うドロシー、エンジニアを目指すメアリーも、理不尽な障害にキャリアアップを阻まれていた。それでも仕事と家庭を両立させ夢を追い続けた3人は、国家的な一大プロジェクトに貢献するため自らの手で新たな扉を開いていくのだった……。

■感想
幼少期から天才と言われた黒人少女。成長しNASAで務めることになるのだが…。白人男性ばかりの職場で困惑する。黒人であるため、コーヒーのポットも別にされ、当然使えるトイレも別となる。その当時は常識的な差別として存在していたのだが…。

やはり今見ると違和感しかない。計算係として重宝されるキャサリンだが、黒人用のトイレがないからと800メートル先のトイレに毎回行っている。このことに気づいた本部長がくだらない差別を撤廃しようとする。定番的な流れではあるが感動してしまう。

管理職になりたくてもなれない黒人女性。技術者として仕事をするには、白人だけが入学できる学校に入る必要がある。当たり前を変える第一歩に自分はなるという強い信念のもとに活動している。多少大げさな描写があるのだが…。

IBMのコンピュータが導入されると計算係は不要になるため、いち早くプログラミング言語を学ぶことにチャレンジしたりもする。3人の黒人女性がどれだけNASAに貢献したのかは不明だ。本作だけ見ると、黒人女性にだけ技術者としての適性があるように見えてしまう。

ラストではNASA初の有人宇宙船が成功するか失敗するかの緊迫な瞬間がおとずれる。それまでに多大な貢献してきたキャサリンたちもかたずをのんで見守る。ロシアとの宇宙開発競争にどのようにして勝利するのか。差別が当たり前の時代を変える第一歩になったのは間違いない。

その功績が認められ映画化もされるまでになる。差別という要素は、その後の差別撤廃という流れに繋がるので映画にしやすい。あまりに3人がすばらしく、周りの特に白人男性がだらしないと描かれているのは少し気の毒に感じた。

良い映画であることは間違いない。



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