ディール・ブレイク [ ダリ・インゴルフソン ]
評価:3
■ヒトコト感想
アイスランドのクライムサスペンス。警察内部の不正を暴く。主人公のハンネス、有名刑事で引退したハンネスの父親。その父親の親友で麻薬課のトップのマルゲール。裏社会のボスであるセルゲイ。物語の流れとしてはマルゲールとセルゲイがつながっており不正を働いていた。それに気づいたハンネスがセルゲイを逮捕しようとするのだが…。
マルゲールの暗躍をどのようにして調査し逮捕するのか。セルゲイ側も取引相手から追い込まれたりと辛い立場であることは間違いない。誰もが何かしら頭の上がらない相手がおり、必死に改善しようとする。ラストではマルゲールの代わりにハンネスが、新たな裏社会のボスとなった男から逃れられない取引を持ち込まれるという流れだ。この不正の仕組みは永遠になくならないということだ。
■ストーリー
父の背中を追いかけて、アイスランド警察の内務調査室に勤務することになったハンネス。ある日、麻薬の売人として名を馳せるグンナーが逮捕され、本人からの指名でハンネスはグンナーと面会することに。そこで、父の親友でもあり麻薬課のトップに君臨するマルゲールが、裏社会に精通するセルビアの商人セルゲイと手を組み、悪事を働いていることを知らされるのだった。
正義感に駆られたハンネスは、特殊部隊に所属するイヴァルとマルゲールの部下である女性警官アンドレアに協力を仰ぎ、セルゲイを捉えてマルゲールの汚職を暴こうとする。しかしこの行動が、ハンネスと周囲の人間を危険な状況に追い込むことになり、遂に最悪の事態を招いてしまう…。
■感想
内務調査官として勤務するハンネス。早い段階からマルゲールが不正を働いていると気づく。相手は裏社会のボスであるセルゲイ。マルゲールの調査のために女性警官のアンドレアをマルゲールの元に送りこむのだが…。
セルゲイパートでは、セルゲイはセルゲイで取引相手からつめられたりと大変な立場にあるのがわかる。その怒りをマルゲールにぶつけ脅迫したりもする。それぞれが家族をもち、家族を大事にしているのがわかる。その家族に危険が迫ることを何より恐れている。
事態が動き出すのはハンネスの妻が事故に見せかけられて重傷を負わされてからだ。マルゲールは勝手に動くハンネスへの警告としてセルゲイに依頼する。このことで、ハンネスは怒り狂い、より強硬策にでる。ここからは激しいやり合いが続く。
セルゲイの取引先の麻薬をすべて警察が奪い取ってしまう。このことで、セルゲイは取引先から暴行を受け家族が危険な状況におかれてしまう。セルゲイはマルゲールを脅し、マルゲールは周辺を調査し怪しいアンドレアに制裁を加えようとするのだが…。セルゲイ側がやりすぎてアンドレアが死んでしまう。
誰もが何かしら頭が上がらない相手がいる。首根っこをつかまれた状態というのだろうか。マルゲールはセルゲイを裏切って、ハンネスたちに協力するのだが…。最後にはハンネスの父親たちから暴行を受け死んでしまう。セルゲイは失脚し、代わりにグンナーが闇の社会に君臨するのだが…。
今度はグンナーがハンネスを、前のマルゲールのように扱おうとする。グンナーはハンネスを罠にはめ、自分に逆らえないようにしている。つまりこうやって社会の仕組みとして闇組織と警察がつながることを避けられないというオチだ。
ヒリつくような復讐の連鎖だ。